知っておきたい、なでしこ2年連続得点王FW。田中美南の巧妙なシュートセンス

2017年10月23日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

感心させられたのは、あるアクション。

後半途中から出場した田中は、後半アディショナルタイムに追加点を奪取。監督の起用に応えてみせた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[MS&ADカップ]日本女子代表2-0スイス女子代表/10月22日/長野Uスタジアム
 
 日本女子代表(なでしこジャパン)は10月22日、スイス代表と対戦。2-0で勝利を収めた。
 
 この日、チームの2点目を決めたのが、田中美南だ。59分から横山久美に代わってピッチに立った田中は後半アディショナルタイム、中島依美のパスに反応してDFの背後に抜け出すと、右足で鋭いシュートを突き刺した。
 
 スルーパスへの反応、抜け出しの素早さ、正確かつ思い切りの良いシュート、三拍子揃ったレベルの高いゴールだったが、さらに感心させられたのは、あるアクションだ。
 
 田中はシュートを打つ直前、チラリと味方の走り込んできている中央へと目を移した。これにより、相手GKはパスを意識せざるを得ず、シュートへの反応が遅れたのだ。田中はその場面をこう振り返る。
 
「シュートしか考えてなかった。中を見たのは、中央の選手を囮にするためです」
 
 この相手を惑わす巧妙なテクニックを含めたシュートセンスこそ、田中の真骨頂だ。
 
 類稀な武器を活かして、なでしこリーグでは、15年シーズンに14ゴールをマーク。昨季は18ゴール、今季は15ゴールで2年連続得点王に輝き、ベレーザを3連覇に導いた。今国内において、最もゴールを取れるストライカー、田中美南を知っていて損はない。

【なでしこPHOTO】雨中の激闘!中島、田中の2ゴールでなでしこがスイスに完封勝利!
 
取材・文:多田哲平(サッカーダイジェストWeb)
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