CL最年少出場で「決勝点をプレゼント」…ベンフィカ守護神がそれでも大物感を漂わせる

2017年10月19日 サッカーダイジェストWeb編集部

プロ2試合目がマンUとの大一番だった。

試合後には同胞ルカク(左)に励まされていたスビラー(右)。この悔しさをバネにさらなる成長に期待したい。(C)Getty Images

 マンチェスター・ユナイテッドは現地時間10月18日のチャンピオンズ・リーグ(CL)のグループステージ3節で、ベンフィカに敵地で1-0と勝利した。ベンフィカのGKミル・スビラーの失策で勝利したジョゼ・モウリーニョ監督は、若き守護神がミスをする可能性を予見していたようだ。
 
 マンUの決勝点は64分、左サイドでのFKから生まれた。マーカス・ラッシュフォードがボールを入れると、これがバーゼルGKのミスを誘発。一度は前に飛び出しかけたスビラーが、慌てて後退しながらゴールに向かうボールをキャッチしたが、すでにゴールラインを割っていた。
 
 今夏にアンデルレヒト・ユースからベンフィカに加入したベルギーU-19代表のスビラーは、先週末の国内カップ戦でデビューしたばかりの18歳。当然、CLも未経験の舞台だった。GKとしては同大会史上最年少出場記録(18歳と52日)を更新した記念の試合で、相手に決勝点をプレゼントしてしまったのだ。
 
 UEFA公式サイトによると、モウリーニョ監督は試合後にスビラーを称賛し、「アンラッキーだった」と同情しつつも、経験不足の相手GKを狙っていたと認めた。
 
「セットプレーで少し彼をやりづらくさせる戦略を取った。FKで彼がかなりリスクを負うのは分かっていたが、それをするのは非常に優れたGKだ」
 
 また、英紙『テレグラフ』紙によると、元イングランド代表MFのスティーブン・ジェラード(リバプールU-18監督)も「監督が何をしているのか分からない」と苦言。強豪マンUとの大一番で経験豊富な38歳のジュリオ・セーザル(元ブラジル代表)をベンチに置き、20歳下のスビラーを起用したルイ・ヴィトーリア監督を批判している。
 
「スビラーを起用するのは、彼を裏切るようなものだ。才能ある選手なのは明らかだけど、CLでプレーする準備はまったくできていない」
 
 しかし、UEFA公式サイトによると、そのルイ・ヴィトーリア監督は「彼は素晴らしいクオリティーを持ったGKであり、学んで成長することが必要だ。次の日曜もプレーするよ」と、今後もスビラーを起用する意向を明かした。
 
 スビラー本人も、ミスに落胆していないのかもしれない。試合後、同じベルギー人のロメル・ルカクから慰められた18歳だが、「もっと上手くやれたと思うけど、今はもう何もできない」と、大物の片鱗を伺わせている。
 
「これも成長するプロセスの一部だ。過去は変えられない。(最年少)記録は重要なことだけど、ただの1試合でしかないよ」
 
 同じGKでは16歳でプロデビューしたミランのジャンルイジ・ドンナルンマも、若さに似合わずミスを引きずらないメンタリティーが高く評価されるが、このスビラーも強心臓の持ち主のようだ。今後の活躍が注目される。
 
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