「ポグバ超えの移籍金」でラツィオMFが来夏に国外へ?

2017年10月12日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

ミランとユーベが狙うもラツィオの希望は…。

入団3年目のラツィオではすでに不可欠な存在となっているミリンコビッチ=サビッチ。来夏はメガクラブ移籍か。写真:Alberto LINGRIA

 イタリアのクラブによる選手売却益のレコードは、2016年夏にユベントスからマンチェスター・ユナイテッドへ移籍したポール・ポグバの1億500万ユーロ(約136億5000万円)だ。
 
 しかし、遠からずこの記録を破るかもしれないプレーヤーがいる。ラツィオでコンスタントに違いを作り出している22歳のセルビア人MF、セルゲイ・ミリンコビッチ=サビッチである。
 
 192cm・82kgだけあってフィジカル勝負にめっぽう強く、体格のわりに足元も柔軟。セントラルMFが本職だがトップ下やセカンドトップもこなし、堂々たる立ち振る舞いにはパーソナリティーの強さも見て取れる。まさに次代のトッププレーヤーだ。
 
 今夏に本気で獲得に乗り出したミランが提示した金額は6000万ユーロ(約78億円)。しかし、ラツィオのクラウディオ・ロティート会長はその倍以上の額を要求してすぐに破談になった。
 
 ロティートに値引きを期待することは不可能だ。それは、契約満了1年前だったケイタ・バルデ・ディアオをモナコに3000万ユーロ(約39億円)で、同じく1年後にはフリーになる31歳のルーカス・ビグリアをミランに1700万ユーロ(約22億円)で売りつけた今夏の剛腕ぶりが物語っている。
 
 ミランに加えてユベントスも昨シーズンからミリンコビッチ=サビッチに注目しており、来夏には間違いなく獲得に動くだろう。
 
 しかしラツィオは、どうやら国外に売却してたんまり稼ぎたいようだ。それがポグバの記録を更新するディールになる可能性も小さくはない。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にジョゼップ・グアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。
 
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