「ダメだ! 前十字靭帯が壊れた」 苦境のアルゼンチンにさらなる試練…天才司令塔が無念の離脱

2017年10月06日 サッカーダイジェストWeb編集部

制止を振り切り、意地でピッチに戻るも…。

俯きながらピッチを去ったガゴ。試合後にアルゼンチンの公式ツイッターで、チームからの離脱が発表された。 (C) Getty Images

 久しぶりの代表戦で、天才肌の名ボランチがまたも大怪我を負ってしまった。現地時間10月5日に行なわれたロシア・ワールドカップ南米予選のペルー戦で、アルゼンチン代表MFのフェルナンド・ガゴが、右膝前十字靭帯と内側側副靭帯を損傷した。
 
 アルゼンチンが痛恨のスコアレスドローに終わった一戦で、ガゴが悲劇に見舞われたのは、60分の途中出場からわずか6分後ことだった。
 
 ハーフウェーライン付近から右サイドにパスを出した瞬間、振り下ろした右足を捻ねり、苦悶の表情を浮かべながらピッチに倒れ込んだのだ。

 アルゼンチン・メディア『Tycスポーツ』によれば、この時、ガゴはチームメイトに「ダメだ! 前十字靭帯が壊れた」と吐き捨てるように言ったという。
 
 すぐさま、自らの足でピッチサイドに出たガゴは、治療にあたったチームドクターに対して、チームを想ってか「お願いだ! プレーさせてくれ!」と懇願。「ダメだ」というドクターを半ば強引に振り切って、一度はピッチに戻ったが、やはり靭帯が壊れた状態でのプレーは不可能となり、エンソ・ペレスと無念の交代となった。
 
 現在31歳のガゴが重傷を負うのはこれが初めてではない。2015年の9月にはアキレス腱を損傷して4か月間の離脱を強いられ、昨年4月には再びアキレス腱を痛めて長期離脱と、怪我に悩まされてきた。
 
 その後、懸命なリハビリのかいもあり、今年8月のアルゼンチン・リーグ開幕戦で完全復帰していた。
 
 今回のペルー戦は、2015年9月のメキシコ戦以来となる代表戦。しかも、舞台は所属するボカ・ジュニオルスの本拠地『ボンボネーラ』というだけあって、本人はやる気に満ちていたに違いないが、無残にもその想いは最悪のかたちで打ち砕かれることになってしまった。
 
 試合後、そんなガゴに対して指揮官のホルヘ・サンパオリは、「計り知れないダメージだ。ガゴは貴重な選手だからね。彼はプレーの続行を望んでいたが、酷い痛みを抱えていたので、それを認めることはできなかった」と語っている。
 
 ペルーに引き分けたため、ワールドカップ出場圏外の6位に転落したアルゼンチン。そんな窮地に立たされた状況で、2007年の初招集から長く代表チームを下支えしてきた名手ガゴを欠くことは、まさに痛恨の極みと言えよう。
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