SVホルンから電撃加入の新井瑞希が相模原でJデビュー! 2つのポジションで魅せる

2017年09月25日 塚越 始(サッカーダイジェスト)

本田圭佑が実質オーナーのクラブの3部降格に伴い帰国。柏Jrユース、浦和ユース出身の技巧派MFが、ドリブルやパスで決定機を作り出す。

本田が実質オーナーを務めるホルンから相模原に加入した新井瑞希が、Jデビュー。次節の北九州戦は先発抜擢も!? (C)J.LEAGUE.PHOTOS

[J3 24節]SC相模原 1-2 YS横浜/9月24日/ギオン

 日本代表の本田圭佑が実質的なオーナーを務めるオーストリア3部のSVホルンからこのほど、J3のSC相模原に"電撃加入"したMF新井瑞希が、9月24日の24節・YS横浜戦で途中出場し、Jリーグデビューを果たした。
 
 1-1で迎えた61分、相模原の安永聡太郎監督は新井&久保裕一の攻撃的な2枚のカードを同時に投入して揺さぶりをかけた。実際、そこから試合は打ち合いの様相になる。そのなかで新井は4-2-3-1のトップ下と右MFで約30分間プレーし、小気味良い切り返しや技巧的なドリブルを披露。呉大陸との連係から長身FW久保裕一のヘディングシュート、辻尾真二への縦に鋭いスルーパス、テクニカルなドリブル突破からのクロスから、さっそく決定機を作り出した。新井投入後、時間が経つごとにゴールへの期待は高まっていった。
 
 それでも65分にYS横浜に決勝点を奪われ、相模原は1-2で敗戦……。新井は「緊張はしなかったが、自分が試合に入ってから2点目を決められ敗れてしまったので悔しい。ボールに徐々に触る回数も増えて、右サイドに入ってからはドリブルでも手応えを掴めた」と振り返った。
 
 また、新井は今回の移籍の背景についても明かす。ホルンが今季3部に降格したが、新井は海外での挑戦を続けようと模索し、複数のクラブから誘いを受けたという。それでも「20歳という年齢は、決して選手としては若くない。海外でプレーを続けたい気持ちはもちろんあったが、一方で出場機会を得ることも大切だった。そこで相模原が僕のドリブルなどをチェックして、『力が必要だ』と言ってくれたことが嬉しく、連絡を受けてから数日で移籍を決めた」と語った。
 
 今季の選手追加登録期限ぎりぎりの9月15日に加入が決まってから間もないが、今回早くもピッチに立ったところにも期待の高さがうかがえる。

「海外に出て1対1で闘う厳しさを身に付けてきた。そこを生かしながら、これからは監督の要求するプレーに応える戦術面での貢献をより重視していきたい。そのなかでチームと個人のしっかりと数字に残る結果を残すこと。その目標にこだわりを持って取り組んでいきたい」
 
 20歳ながら堂々としている。相模原は2連勝のあと2連敗を喫し、6勝7分9敗の11位に沈む。とはいえこの日も3000人近い観客が訪れ、ゴール裏の総立ちで応援するサポーターや彼らを中心とする一体感のある声援など、相模原の底力を見せつけた。彼らの後押しを受けて、背番号30をつけた新井がギオンスタジアムで、サッカー人生の新たな、そして大きな一歩を踏み出した。
 
プロフィール/あらい・みずき 1997年4月14日、埼玉県伊奈町出身。170センチ・64キロ。伊奈小針サッカースポーツ少年団―柏レイソルジュニアユース―浦和ユース―ホルン(オーストリア)―相模原。昨季オーストリア2部13試合・1得点。
 
取材・文:塚越 始
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