【大宮】クラブの歴史にその名を刻んだマテウス。記録に残る強烈弾の軌道を見たか!?

2017年09月17日 古田土恵介(サッカーダイジェスト)

「思い切って足を振って、枠に入れようと」

クロスを味方が逸らすと、そこにはマテウスが。左足を振り抜いて強烈な同点弾を沈めた。写真:徳原隆元

[J1リーグ・26節]大宮 2-2 G大阪/9月17日(土)/熊谷陸
 
「クラブの歴史に名を残すことができて非常に嬉しいですし、光栄に思います」
 
 クラブのJ1通算450ゴール目を記録したマテウスは、クラブを通してコメントを発表。自身の名が"大宮アルディージャ"に刻まれることを素直に喜んだ。
 
 記録に残る得点は、記憶に残ってもいいような鮮烈なものだった。残留に向けて絶対に負けられない一戦で、1点ビハインドだった50分。右サイド、ハーフウェーラインをやや越えたあたりから大山啓輔が前線へフィードを送り込む。
 
 横谷繁が競り合ったボールは、左サイドへと流れる。そこに走り込んでいたのがマテウスだった。本人が状況を振り返る。
 
「センタリングを味方が触って、ちょうど目の前にこぼれてきた。思い切って足を振って、枠に入れようと。そんな想いでシュートを打ったら、それがゴールになった」
 
 フリーではあったが、決して簡単なタイミングではなかった。ボールのバウンドに合わせて、撥ね際を強烈に利き足の左でミートした。
 
 左回転のかかったボールはどんなGKでも触れないコース、スピードでゴールネットへと突き刺さった。その瞬間、ゴール裏のサポーターも湧き上がった。
 
 声を枯らして応援してくれる12番目の戦士たちの元へ駆け寄ったマテウスは1回、2回と大きなガッツポーズを繰り返す。この時、メモリアルゴールとは知らなかっただろう。ただただ、重要なゲームでスコアをタイに戻したことに歓喜していたはずだ。
 
 その後、勢いに乗ったチームは73分に逆転。ただ、そのまま勝点3を奪えるかに見えた90+4分に同点弾を食らい、試合は引き分けに終わった。
 
 残留を争うライバルたちの状況を考えれば、勝利がスルリと掌から逃げたのは痛恨。それでも諦めはしない。好調なドリブラー、マテウスが大宮にはついている。
 
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)
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