ルイス・スアレスが「あいつは化け物」と舌を巻く19歳、フェデリコ・バルベルデって?

2017年09月09日 サッカーダイジェストWeb編集部

敵地で値千金弾を決める、衝撃的なAマッチデビュー!

圧巻のパフォーマンスでA代表デビューを飾ったバルベルデ。末恐ろしい大器だ。(C)Getty Images

 ウルグアイ代表を率いるオスカル・タバレス監督は、ぎりぎりまで決めかねていたという。新進気鋭のボランチが、はたしてワールドカップ予選の熾烈な戦場で通用するのか──。
 
「いきなり先発で起用してどこまでやれるのか。誰もが期待しているのは分かる。だがこれはそう容易いミッションではないのだ。それでも最後は……本能に任せたよ。彼に託そうと決めたんだ」
 
 9月5日、ワールドカップ南米予選で19歳の大器が国際Aマッチデビューを飾った。ウルグアイア代表の中盤で獅子奮迅の働きを見せたのは、フェデリコ・バルベルデ。アウェーのパラグアイ戦にボランチで抜擢登用されると、攻めては長い距離を駆け上がって敵ゴールを脅かし、守っては鋭い読みと激しいチャージでピンチを的確に摘み取った。
 
 ほぼパーフェクトな内容に華を添えたのが、0-0で迎えた76分のスーパープレー。相手DFのクリアボールを、ゴール前30メートルの位置から右足アウトサイドでインパクトし、鮮やかにねじ込んだのだ。チームはその先制点で優位に立ち、過酷な敵地アスンシオンで2-1の快勝。南米予選2位の座をキープした。
 
 自画自賛したのが、タバレス監督だ。「私は賭けに勝った。そしてこれはウルグアイ・サッカー界にとっても大きな勝利と言える」とまくし立て、「文句の付けようがないパフォーマンスだったね。御見それしたよ」と脱帽した。8月31日のアルゼンチン戦は出番なしだったバルベルデ。その試合で重鎮MFアルバロ・ゴンサレスがイエローカードを頂戴し、累積警告のためパラグアイ戦が出場停止に。大きな穴を埋める代役は、はたして……。指揮官は19歳の才能に命運を託したのだ。
 
 ウルグアイの国内メディアも「バルベルデが国際デビューした歴史的一日」「ニューヒーロー誕生」「19歳の天才がセレステ(水色、代表チームの愛称)を救った」など、手放しで称えた。
 
 さらにFIFA公式サイトも特集記事を掲載。そのプレーぶりをこう伝えている。
 
「クレバーな対応を見せつつ、ハードワークを厭わないMFだ。19歳の青年は理想的なリンクマンであり、とりわけ守備から攻撃への切り替えのところで力を発揮する。右足から繰り出すパスはセンスに溢れていて、球際の強さも特筆に値。なにをやらせても非凡な選手だ」

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