【藤田俊哉の目】日本が目指すべきサッカーはカウンター主体のスタイルなのか?

2017年09月07日 サッカーダイジェストWeb編集部

サウジ戦ではこれまで以上に大胆な選手起用にチャレンジしてほしかった。

約2年ぶりの代表復帰となった柴崎。サウジ戦で起用されたが、藤田氏は「もっと大胆な選手起用が見たかった」とも。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

 高温多湿のジッダで迎えた9月5日のロシア・ワールドカップのアジア最終予選最終戦のサウジアラビア戦。絶対に勝利が必要な状況で、したたかに戦ってきたサウジアラビアに対し、日本は見せ場を作ることなく0対1で落とした。
 
 キャプテンマークを巻いてスタメン復帰した本田は右サイドで起点を作ってゲームをコントロールしたかったはずだが、プランどおりには進まず、前半でピッチを後にした。本田の低調なパフォーマンスは、この日の日本の苦しい戦いぶりを象徴しているようでもあった。GK川島のビックセーブだけが印象に残ってしまったというのが本音だ。
 
 タフなゲームになることは戦前から予想できていた。この試合の6時間前に、オーストラリアがタイに2対1で勝利し、サウジアラビアがワールドカップ出場権を手にするためには勝利が絶対に必要となった。彼らのモチベーションは高く、さらに高温多湿という劣悪な気候に加え、満員のスタジアムという完全アウェーのシチュエーション。これぞ最終予選という雰囲気のなかで、日本は最終戦に挑むことになったわけだ。
 
 そんななか、僕が注目していたのは、サウジアラビア戦をどんな位置付けで挑むのか、ということだ。
 
 ロシア行きのミッションは前節のオーストラリア戦でクリアしていた。「消化試合」のサウジアラビア戦で、とにかく結果を求めるのか、若手の成長の場とするのか。ハリルホジッチ監督が、この一戦でどんな戦略を立てて勝利を目指すのか、興味深く見ていた。
 
 今までどおり「コンディション」を優先した采配を見せるならば、本田のスタメン起用は難しかっただろう。柴崎だけでなく、クラブで結果を残している小林、杉本らに親善試合とは違う状況でプレー機会を与え、今後のオプションを増やすチャンスでもあった。
 
 大胆な選手起用はハリルホジッチ監督の良さでもあり、前節の勝利でその評価を上げてきた。世代交代を進めていくことで進化を遂げてきたチームだからこそ、サウジアラビア戦では、これまで以上にチャレンジしてほしかった。
 

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