【岩政大樹の視点】注目は本田圭佑の”巻き返し”と柴崎岳&小林祐希のアピール。W杯へ向けた人間ドラマが始まる

2017年09月04日 岩政大樹

本田をどう使うか?ハリルホジッチ監督のビジョンが見えるかもしれない。

指揮官と本田は綿密にコミュニケーションを取っているようだ。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

 ワールドカップ出場を決めた興奮冷めやらぬ、といったところですが、早くもサウジアラビア戦を迎えます。ワールドカップ予選という意味では消化試合ですが、選手たちにとっては本大会のメンバー入りに向けての再スタート、モチベーションも非常に高い状態だと思います。
 
 ハリルホジッチ監督もオーストラリア同様、サウジアラビアを充分にスカウティングしているはずですから、サウジアラビアに対する勝つための明確なタスクを選手に与え、それを実際にピッチで誰がこなしていけるのかを見る機会として有効に活用するはずです。その意味で、オーストラリアとの試合から何人かの変更は加えながらも、大きくはメンバーを変えないで挑むのではないか、と予想します。
 
   選手のアピールという意味では、「調子の良し悪し」はまだ9か月後の本大会まで変化していくのでそれほど重要ではなく、それよりも監督の求めるタスクをピッチで体現できる、あるいは体現しようとする姿勢が問われる試合となるでしょう。
 
   注目はやはり本田圭佑選手の使い方です。オーストラリア戦の見事な勝利はハリルホジッチ監督の脳裏に鮮烈な印象を残したはずです。本大会で対戦する相手のレベルを考えてもオーストラリア戦の戦い方はひとつの軸になると考えられます。
 
 もしそうした戦いをこれから基本線にしていくとなると、右サイドには浅野選手や久保選手など、走るスピードを生かしてゴールに向かうフォワードタイプの選手が自然に挙がってきます。ここに、対戦相手によっては本田選手のように特徴の異なる選手を配置する可能性をチーム作りに残していくのか。それが本大会に向けてのひとつの注目ポイントになると思います。
 
 本田選手をこれまで同様サイドで使うのか。はたまたインサイドハーフやトップ下など、中でプレーするオプションを作っていくのか。これからの数試合でハリルホジッチ監督が本大会で本田選手をどう使っていこうと考えているのかが、垣間見えてくるかもしれません。

次ページ個人のプレー内容に対するプレッシャーはより高まっている。

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