【新潟】3か月白星なし…10人相手に勝ち切れず…。なぜブーイングではなく拍手だったのか

2017年08月27日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

ブーイングが飛んでもおかしくない状況だろう。それでも……。

柏戦で引き分けた新潟は、リーグ戦12試合白星なし。底力を見せられるか。写真:徳原隆元

[J1リーグ24節]柏1-1新潟/8月26日(土)/日立柏サッカー場
 
 J1・24節の柏対新潟が8月26日、日立柏サッカー場で行なわれた。この試合、ビジター側のゴール裏には「J1残留」と書かれた旗がいくつも掲げられていた。
 
 新潟は、30分にチアゴ・ガリャルドのゴールで先制に成功する。しかしその後退場者を出した柏を相手に同点ゴールを許すと、そのまま追加点を奪うことができずに引き分けた。
 
 現在、最下位に沈む新潟にとっては、あまりに痛すぎる結果だ。5月20日の札幌戦を最後に白星はなく、ブーイングが飛んでもおかしくない状況だろう。
 
 それでも、ゴール裏をいっぱいに埋めたサポーターは選手を非難しなかった。試合後、挨拶に回る選手に激励の大きな拍手を送ったのだ。
 
 そんなサポーターの姿勢に、選手は感謝を示す。
 
「自分たちがこういう順位にいても、多くのサポーターが来てくれましたし、すごく声援を送ってくれた。今日も勝つチャンスがあったのに、結果的に引き分けに終わってしまった。 勝って一緒に喜び合いたいのに……、ずっと僕らはファンの方々に支えられてばかりで、何も返せていないので、本当に歯痒いです」
 
 そう話すのは磯村亮太だ。この日、フル出場したボランチは、矢野貴章の負傷により後半途中からキャプテンマークを巻いた。しかし磯村は「今日は自分が(キャプテンマーク)つけたけど、それはたまたまで。(誰がつけたとしても、)みんなでやっていくんだという雰囲気を作らなくてはいけない」と、キャプテンマークを巻いたことは意に介さず、それよりもチームのまとまりを強調した。
 
 今、必要なのはチームとしてひとつにまとまることかもしれない。サポーターの振る舞いは、まさにそれを体現していたと言える。サポーターも選手も一丸となり"奇跡の残留"を掴み取れるか。新潟の底力が試される。
 
取材・文:多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)
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