【川崎】3連勝にも殊勲のストッパーはあえて警鐘を鳴らす「あそこで緩んでちゃいけない」

2017年08月20日 川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

空中ではジェイを、地上ではチャナティップを。

終盤の敵の猛攻を凌ぎ切り、1点差を守り切った川崎守備陣。殊勲の奈良は今後に向けた問題点を指摘し、手綱を締める。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ23節]川崎2-1札幌/8月19日/等々力

 コンサドーレ札幌との雨中戦を2-1で制し、3連勝を飾った川崎フロンターレ。首位・鹿島アントラーズとの4ポイント差は変わらないが、前節の4位から3位へとじわり浮上した。
 
 自慢のアタッカー陣がぐいぐい押し込んだ前半は終始ペースを握ったが、後半は守備を整備してきた札幌の反撃に遭う場面がしばしば。2-0から1点を返されるなど終盤は冷や汗ものの展開だった。

【川崎 2-1 札幌 PHOTO】札幌に競り勝ち川崎が3連勝!
 

 この試合でMVP級の働きを見せたのが、23歳のストッパー・奈良竜樹だ。殊勲の守備者はジェイ、チャナティップ、そして都倉賢の強力トリオが陣取る札幌攻撃陣をいかにして封じ込めたのか。
 
「基本的にはラインコントロールしながら、なるべくゴールから遠ざけようとイメージしてました。でも、システムの噛み合わせが上手く行かなくて、プレスがなかなか掛からなかった。なのでボールを持たれてしまうと、ラインが低くなりがちでしたね」
 
 空中戦では190センチのジェイと堂々渡り合い、「チームとしてふたりで対応するようにしてました。ネットとエウシーニョもよく競り勝ってくれたし、上手く抑えられたと思う」と自賛した。かたや地上戦では裏のスペースを常に狙う韋駄天チャナティップを、ファウル覚悟のチャージで阻止。こちらは「大きなふたり(ジェイと都倉)の間でああやってスペースで受けたり、突いたりしてきたのでかなり厄介でした。カウンターの起点にさせまいと注意してましたね。ムアントンとの試合(ACL)でも戦いましたが、あらためていい選手だなと思いました」と振り返る。
 
 しかし後半は、チーム全体のラインが間延びする場面が頻発。中盤にスペースが生まれ、札幌の鋭い速攻の温床となっていた。
 
「けっこう後半はオープンな展開になりましたよね。うちとしては相手を引き出してカウンターを仕掛けられるから、有利になると思ったんですけど、決め切る、やり切るというところが中途半端で、相手に上手くスペースを使われてしまった。試合巧者という部分ではまだまだですよ」
 
 

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