【浦和×シャペコ】疑惑のPK判定、ズラタンが明かした『事実』

2017年08月16日 塚越 始(サッカーダイジェスト)

微妙な判定で、選手らが主審に詰め寄る。「ラテン気質な性格もあり、どうにも抑えられなかった」

ターンしたズラタンに、DFグローリの足が掛かったか……。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[スルガ銀行 CS] 浦和 1-0 シャペコエンセ/8月15日/埼玉
 
 両チームともに決定打を欠き、スコアレスの膠着状態のまま、試合終盤に突入する。延長戦はないため、このままPK戦に突入するのか――そう思われた矢先だった。
 
 88分、ペナルティエリア内でDFグローリを背負いながら、ズラタンがハイボールをキープしようとする。すると背後のスペースに流れたボールを、浦和の21番は振り向き様に追いかける。その時、グローリと交錯して両者が倒れる。そこで、キム・ジョンヒョク主審が笛を吹いて浦和にPKを与えたのだ。
 
 倒れ込みながらグローリがクリアしようとして届かなかった足に、ズラタンが引っ掛かって倒されたと言えた。実際、グローリの両足でズラタンを挟み込むような格好にもなっていた。ただし見方によっては、ズラタンが単純に相手ともつれあって倒れた感じでもあった。
 
 判定に納得できないシャペコエンセの選手たちが主審に詰め寄り、コーチもゴール裏のピッチサイドまで来て猛抗議をする。なかなかプレーは再開されず、その騒動の間も含め、6分ものアディショナルタイムが与えられた。
 
 さらにシャペコエンセの選手たちがズラタンから何かを聞き出し、主審に確認を求めていた。しかしズラタンは首を振って、できるだけその場から離れた。
 
 そしてようやく試合が再開されたあと、「(騒動の間は)集中するために、ずっとひとりぼっちでいた」と言う阿部勇樹が冷静にPKを沈め、これが決勝点になった。
 
 怒りの収まらないシャペコエンセの選手とスタッフは、試合終了の笛が鳴ったあとも、センターサークル付近で審判団を囲みしきりに抗議をしていた。
 
「失点したのが残り2分という時間帯でもあり、気持ちをコントロールすることが難しかった。私たちのラテン気質な性格もあり、どうにも抑えられなかった。直前のトゥーリオ(デ・メロ)へのファウルだと思われたプレーが流されていたこともあり、動揺してしまった」
 
 試合後、冷静さを取り戻したエウトロピオ監督は記者会見でそのように振り返り、「今回の各国を回った遠征で、グループとしての絆が深まった。これから自信を持って戦う」と抱負を語っていた。
 

次ページ当事者のズラタンはどう思ったのか?

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事