【新潟】残留争いのライバルに敗戦…ある“不吉な数字”が崖っぷちのチームに襲い掛かる

2017年08月14日 古田土恵介(サッカーダイジェスト)

江坂に決定機を防がれ、江坂にゴールを決められる。

勝つチャンスはあった。しかしフィニッシュ精度を欠いて、残留争いのライバルに痛い敗戦を喫した。写真:田中研治

[J1リーグ22節]大宮 1-0 新潟/8月13日(日)/NACK
 
 新潟がJ1残留を争う16位の大宮に0-1で敗戦。12節の札幌戦以来、勝ち星から遠ざかるチームにとって"痛恨の一敗"であり、J1残留に赤信号の灯る寸前に追い込まれるゲームとなった。
 
 決して悪くない立ち上がりだった。4分にはチアゴ・ガリャルドのロングスローから相手ゴール前で混戦となり、最後はドウグラス・タンキがシュート。大宮GK加藤順大のタイミングの良い飛び出しによって防がれてしまうが、いきなり決定機を作った。
 
 ただ、徐々に相手のパスワークによって押し込まれる時間帯が長くなる。34分には左サイドを崩され、38分にもマテウスにカットインからスルーパスを通されてピンチを迎えた。
 
 さらに42分にも、次々にスペースへと入り込む大宮の選手を捕まえ切れず。磯村亮太がシュートに身体を投げ出して危機を回避したものの、ダイアゴナルランに対する脆弱性を晒してしまった。
 
 後半になると守備時のオーガナイズが再整備され、マイボールにしたあとに繰り出されるカウンターに切れ味が戻ってくる。そして、セットプレーでは前半に続いてチャンスを生み出していた。
 
 61分、CKでファーサイドに走り込んだ矢野貴章がドンピシャでヘディング。待望の先制ゴールかと思われたが、ライン上に立っていた江坂任によってブロックされてしまった。すると73分、ゴールネットを揺らされてしまう。
 
 FKのセカンドボールをアバウトにゴール前へと送られると、富澤清太郎が競り負け、それが先ほど苦汁を飲まされた江坂のもとへ。ワントラップした"天敵"の左足がボールにミートすると、それが先制点となってしまった。
 
 ビハインドとなった新潟は攻勢を強めた。さらに相手が守備に重心を傾けたことで、幾度となくファイナルサードへと侵入。78分に伊藤優汰と河田篤秀を同時投入するなど、同点を狙った。
 
 ただ、1点は最後まで遠かった。集中力を切らさなかった相手守備陣に撥ね返され、逆にほぼ全員が押し上げた裏のスペースを使われて「あわや」の場面も。トドメの一撃を食らいそうになることすらあった。

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