【ベガルタ戦記】渡邉晋の『日晋月歩』|20節の鹿島戦から先発の約半数を入れ替えた理由

2017年08月11日 渡邉 晋

初の“リーグ戦”連戦で選手構成に頭を悩ませた。

前節の鹿島戦に絡まなかった選手のフレッシュさを見極め、「1トップ+2シャドー」「右ウイングバック」「左CB」でスタメンを入れ替えた。(C) J.LEAGUE PHOTOS

 仙台の渡邉晋監督による現役指揮官コラム「日晋月歩」の第20回。テーマは「リーグ戦の連戦」だ。20節の鹿島戦から中3日で臨んだ21節の磐田戦。スタミナの消耗が激しい夏場に短期間で戦わなければならなかった。
 
 そんなゲームでフィールドプレーヤーの半数である5選手を入れ替えた渡邉監督は、どういう考えで判断を下したのだろうか。「うちのゲームではなかった」という試合内容とともに振り返ってもらった。
 
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[J1リーグ21節]仙台 0-0 磐田/8月9日(水)/ユアスタ
 
 ルヴァンカップの際には、基本的に疲労を考慮して主力を休ませていたが、初の"リーグ戦"連戦だったのでメンバー構成にはかなり頭を悩ませた。
 
 20節の鹿島戦で出場時間の長かった選手は、21節の磐田戦までの中3日のうち2日をコンディション調整で過ごすことになる。そんななかで鹿島戦に絡まなかった選手の状態やフレッシュさを見極めてきた。
 
 そして最終的に前節から変えたのが「1トップ+2シャドー」「右ウイングバック」「左CB」の5枚だ。
 
 前線の組み合わせを考えた際にまず浮かんだのが、梁(勇基)の状態の良さ。スタートから使おうと決断するまで時間はかからなかった。その次に相性の良いクリス(クリスラン)と(佐々木)匠を同時に出そうと。
 
 ナオ(石原直樹)はコンディションを鑑みて先発から外した。彼にはここまでフル稼働とも言える働きをしてくれているが、昨季まで怪我でシーズンを通して戦うことがなかなかできていない。その負担を考慮したのだ。
 
 もちろん本人は「プレーしたい。連戦でも大丈夫です」と言う。それは選手として持っていなければいけない心構えなのだが、そこを諫めるのも監督の仕事のひとつだと思っている。
 
 右ウイングバックは(古林)将太から蜂須賀(孝治)へ。これも鹿島戦のパフォーマンスどうこうという話ではない。名古屋から移籍してきた将太は、古巣でそこまで試合に絡んでいたわけではなかった。体力的に連戦は難しいのでは、という判断があった。
 
 そして左CB。磐田戦前日の戦術トレーニングで、マス(増嶋竜也)の状態がすごく良いと感じた。さらに第2子が誕生して気持ちが充実し、気合いも入っているだろうと。そういった勢いを買ってあげたかった。

次ページ序盤から積み上げた仙台の「当たり前」を取り戻したい。

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