【FC東京】久々の等々力は「最高だった」と大久保嘉人。盟友・石川直宏の引退発表については…

2017年08月05日 本田健介(サッカーダイジェスト)

負傷明けで途中出場し、チャンスに絡む。

試合後には川崎サポーターのもとへ駆け寄った大久保。笑顔で挨拶をかわした。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ20節]川崎1-1FC東京/8月5日/等々力
 
 30回目の多摩川クラシコを、FC東京のユニホームを身に纏って迎えた大久保嘉人は、76分からピッチに立った。
 
 試合前の選手紹介の際には古巣の川崎サポーターから温かい拍手で迎えられたが、交代出場する際にはさすがにブーイングを浴びせられた。
 
 しかし、スタジアムの雰囲気は「最高だった」と振り返る。
 
 この日は、負傷の影響で4試合ぶりの出場となったが「こうやって出てやらないと難しい。問題はなかった」と、溌溂としたプレーを見せ、チャンスにも絡んだ。もっとも試合後には周囲への注文も忘れなかった。
 
「シュートを打つ時にもう少し考える時間がほしい。考える時間が少なかった。前を向いて考えられるプレーを増やせれば良いかなと。全部が早くてみんながダッシュでゴール前に入るばかりだと、そう簡単には点は取れない。途中まで勝っていたから良かったが、最後に追いつかれたのはもったいなかった」
 
 試合の3日前には同世代の石川直宏が今季限りの引退を表明した。試合後に篠田善之監督は「彼の想いはチーム全体で背中に乗っけて走りたい」と語ったが、大久保はどう感じているのか。その質問には彼なりの独自の言い回しで答えてくれた。
 
「何も考えずにやっていた。ピッチに立ったら家族のことも考えずにプレーしている。引退を発表した後は多くのことを話したが、そこはゲームになったら関係ない」
 
 ピッチに立てば勝利のため、ゴールのために無心で戦い続ける。百戦錬磨のストライカーらしい姿がそこにはあった。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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