またも「カネ」で揉め事、ネイマールはサントスに続きバルサとも遺恨が…

2017年08月05日 サッカーダイジェストWeb編集部

違約金の支払い方法はFFP違反に当たる可能性が…。

パリSG移籍が決定したネイマール。しかし、違約金や契約ボーナスを巡って論争を呼んでいる。(C)Getty Images

 ネイマールのバルセロナからパリSGへの移籍は、現地時間8月3日に発表され、4日には加入会見が開催された。しかし、「カネ」に関するトラブルはまだ終わっていない。
 
 ひとつ目の論点は、契約解除違約金だ。パリSGはバルサの契約書に盛り込まれていた2億2200万ユーロ(約284億円)というサッカー史上最高額を支払ってブラジル代表FWを引き抜いたが、バルサは当初から「その金額を出せばFFP(ファイナンシャル・フェアプレー)違反にあたる」と反論してきた。
 
 結局、3日にネイマール名義で違約金が支払われたが、バルサは「クラブはこの取引に懲戒責任が生じる可能性があると考え、この案件に関する詳細をUEFAに報告するとともに判断を仰ぐ」との声明を発表した通り、いまだにこの取引に納得していない。
 
『フォックス・スポーツ』など複数の現地メディアは、パリSGのオーナーであるカタール政府系投資ファンド『QSI(カタール・スポーツ・インベストメンツ)』が、2022年カタールW杯大使の報酬としてネイマールに2億2200万ユーロを渡し、それをバルサに支払ったと報じている。また、同W杯組織委員会からカネが流れたという説もある。
 
 このいわば"抜け道"がFFP違反に当たるのか否か、UEFAがこれから調査を進めることになるだろう。
 
 もうひとつは、契約更新ボーナスだ。バルサは昨年10月にネイマールと契約延長した際、2600万ユーロ(約33億2800万円)の支払いを約束した。7月31日までバルサに所属していればそれがネイマールに転がり込むため、選手サイドはそれまでダンマリを決め込み、8月になってからパリSG移籍への正式手続きを始めたと言われていた。
 
 しかし、バルサは更新ボーナスをまず公証人に一旦預ける。さらに『ESPN』などによると、4日の記者会見でクラブ広報のジョゼップ・ビベスが、契約違反があったとして2600万ユーロの支払いはありえないと語ったという。
 
「ネイマールとの契約には3つの条項があった。1つは、選手が7月31日まで他のクラブと移籍交渉を行わないこと。 2つ目は、契約を守るという方針を公の場で明らかにすること。 そして3つ目は、9月1日まで別のクラブに移籍しないことだ。これらの基準が満たされなかったのだから、バルサがネイマールにボーナスを支払うことはない。お金はもはや公証人のところにはなく、クラブに戻っている。どんな移籍にも苛立ちを伴うが、それが選手サイドの一方的な意思だった場合は、なおさらだ」
 

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