【総体】安藤瑞季はどれほどの怪物なのか? 恩師・小嶺監督に訊いた「進路と真価」

2017年08月03日 川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

「このレベルでボールを失っていてはいかん」と名伯楽。

FWとしての総合値の高さを示した安藤。だが恩師は「まだまだイージーミスが多い」と注文をつけた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 インターハイで一大旋風を巻き起こした長崎総科大附。惜しくも準々決勝で流経大柏に逆転負けを喫したが、まさしく全盛時の国見を彷彿させる走力とメンタルタフネスを前面に押し出したサッカーで、真夏のトーナメントを大いに盛り上げた。
 
 その先頭に立ってぐいぐいとチームを引っ張っていたのが、U-20日本代表FWで主将の安藤瑞季だ。自身は1回戦の徳島市立戦で2アシストをマークすると、そこから3試合連続ゴールをマーク。この世代屈指のストライカーであることを再確認させた。

【インターハイPHOTO】流経大柏vs長崎総科大附は前者に軍配!
 
 大会中はJクラブのスカウトが大挙して視察に訪れ、安藤自身も「高卒でのプロ行きが僕の目標です」と言い切る。だが、まだ進路は決まっていない。長崎総科大附の小嶺忠敏監督は、「わたしはあまり口を出すつもりはない。まずは方向性だろうね。進学なら進学。JリーグならJリーグ。本人、家族、(学校の)担任でよく話し合ってから。チームがどうこうと言うのは方向性が定まってからでしょう」と説明した。
 
 では、ストライカー・安藤のポテンシャルを、名将はどう見ているのか。昔から選手のことを、滅多なことでは褒めない方である。
 
「フィジカルは強い。大学チームのどことやっても、たとえば九州の1部とやっても十分いける。これはいける。ただ、パワーだけの選手はたくさんいるわけだから、そればかりでは壁にぶち当たるでしょう。まだまだイージーミスが多いですよ。なにより、ボールを無くすのはいかん。このレベルで失っていてはいかん。ボールを受けたなら、突破するか、味方に預けるか、預けるなら次にどう動くべきか。このあたりをしっかり判断できないといけない。ゴリ押しばかりだったことを思えば、いまは周りを使う意識が芽生えてきましたがね。まあ、かなり強く要求しないといけません。じゃないと、このままで終わってしまう」

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