【総体】連覇を狙う市船のキーマン!2年生FW松尾勇佑は、エース不在の準決勝で主役になれるか

2017年08月02日 平野貴也

中卒Jリーガーになる可能性が浮上していたスピードスター。

準々決勝では快足を飛ばしてチームの2点目をアシストした。写真:平野貴也

 今度は、オレの番だ。連覇を目指すチームの最前線に、ゴールを渇望している男がいる。
 
 インターハイは2日に準々決勝を行ない、連覇を目指す市立船橋が、2-1で関東一を下して準決勝進出を決めた。
 
 2点を決めたのは、エースの福元友哉だ。ただし、福元は通算2度目となる警告を受けたため、準決勝は出場停止となる。決勝の舞台へ勝ち上がるためには、福元以外のアタッカー陣の奮起が望まれる。
 
 3トップのうち、福元は全3試合で4得点。右の有田朱里は準々決勝では途中から右DFで起用されたが、2回戦と3回戦でゴールを挙げた。「前の(ポジションの)選手としては、やっぱり欲しいです」と飢えているのが、唯一無得点に終わっている左の松尾勇佑だ。
 
 スピード自慢の松尾は、関東一戦で2点目をアシスト。左サイドを快足で駆け上がり、低く鋭いクロスを福元に合わせた。松尾は「3試合を戦って、まだ無得点。朝岡(隆蔵)監督にも試合前に『点を決めてないのは、お前だけだぞ』と言われて、決めてやろうと思っていたんですけど……。まあ、今までは何もできなかったので、今日は一応、アシストをできたのは良かったです。でも、もっと、どん欲にやっていきたいです」と一定の手応えを得た。
 
 持ち味のスピードは、中学生の頃から高く評価されていた。進路決定に関するエピソードが、素質の高さを物語る。
 
 当時、松尾が所属していたジェファFCは、琉球FCの李済華GMが代表を務め、國學院久我山(東京)の清水恭孝監督が総監督を務めるクラブだ。当然のように、松尾は國學院久我山を第一志望としていた。ただ、相当な学力も必要となることから難度が高く、別の進路も候補に入れようとした時、李GMが「久我山に行かないなら、うちのクラブに連れて行きたい」とJ3に所属する琉球行きを提案した。
 
 琉球FCの育成組織にはU-15とスクールがあるが、U-18カテゴリーは存在しない。将来を考えて進学することになり、進路は市立船橋に決まったが、中卒Jリーガーになる可能性が一時的に浮上していたのだ。

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次ページ目指す将来像は、レスターの点取り屋ジェイミー・バーディだ。

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