【総体】富山一のFW坪井清志郎は絶賛就活中!"勝たせるプレー"でプロ入りの道を切り開けるか

2017年07月30日 森田将義

馬力溢れる単独突破だけでなく、相棒とのコンビネーションも機能。

自らのゴールこそなかったものの、坪井は果敢な仕掛けでPKを獲得し、勝利に貢献した。写真:森田将義

 プリンスリーグ北信越で11試合・17得点。富山一のFW坪井清志郎の実力は伊達ではない。
 
 持ち味はスピードに乗ったドリブルと無理な体勢からでもシュートを打てる身体能力の高さ。Aチームでの出場機会を掴んだ2年次の昨年も速さを活かした突破から見せ場を作ってきたが、肉体強化によって当たり負けしない自信と身体を手に入れた今季は、強引にフィニッシュまで持ち込む場面が増えた。積極的にシュートを狙い、ゴールラッシュの原動力となっている。
 
 ポテンシャルの高さは、インターハイ2回戦の米子北戦でも垣間見えた。ただ、馬力溢れる単独突破だけでなく、カターレ富山U-15時代からコンビを組むFW大竹将吾との連係も交えたところに成長がうかがえる。
 
 以前は「お互いに主張が強くて、元々は連係が良くないふたりだった。2トップを組んでも1トップがふたりいるような感じだった」(柳野年秀コーチ)が、インターハイ前に実施した大学生との練習試合で変化が訪れる。これまで曖昧だったふたりの距離感や関係性を整理した結果、息の合ったコンビネーションプレーが増えたのだ。
 
 そうして迎えた米子北戦、まずは開始直後に引き気味の位置から大竹が入れた縦パスに反応し、シュートを放つ。そして前半18分には持ち味である身体能力でチャンスを演出。DF中田青(年)のロングスローをボレーで合わせた。
 
 しかし、チャンスを作りながらも、前半は無得点。「サイドから良いボールが上がっていたのに、決めきれなくて苦しんでしまった」と坪井が振り返るように、相手を押し込んではいたが、決して良い流れとは言えない試合展開だった。
 
 それでも後半18分、ペナルティエリア右でルーズボールに反応すると、ドリブルで仕掛けたところを倒されPKを獲得する。

 自らがキッカーに名乗り挙げるかと思われたが、「プリンスや練習試合でも外しているんで、PK苦手なんです。流れのなかから点を獲りたいし、きっちり決めてくれる人に任せようと思いました」との理由でキッカーを譲ると、大竹がこれをきっちり決めて先制。この1点を守り切り、1-0で3回戦へと駒を進めた。

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