アヤックス若手MFに「重度の脳損傷」…試合中に心臓発作で倒れる

2017年07月14日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

回復の可能性はゼロに近く、後遺症は免れないとの報告が…。

オランダの年代別代表の常連で将来を嘱望されていた20歳のヌリ。このまま選手キャリアが閉ざされてしまうのだろうか……。(C)Getty Images

 アヤックス期待の若手MFアブデラク・ヌリ(20歳)の脳に、重度の損傷があることが7月13日のクラブ発表で明らかになった。
 
 7月8日にオーストリアで行なわれたアヤックス対ブレーメンのテストマッチに出場していたヌリは、とくに接触もない状況で突然ピッチに倒れ込み、救命ヘリで病院に緊急搬送されていた。
 
 アヤックスからの公式発表によるとヌリは、心臓発作を起こし、一時は心肺停止の状態にあったという。しかし、病院に搬送された後は、意識も戻り、現在は治療のため意図的に昏睡状態にあるものの、容体は安定していると報じられていた。
 
 その後も定期的にクラブ側から状況説明があり、12日朝の報告では、変わらず集中治療室で昏睡状態にあるものの、心臓と脳に異常は認められなかったという前向きなものだった。
 
 しかし、翌日の報告で事態は一変する。それは、「ヌリが永久的かつ重度の脳損傷を負っている」というもので、新たな診断結果によると、「脳に多数の損傷箇所があるため、その部分が機能しておらず、回復する可能性は限りなくゼロに近い」という衝撃的な内容だった。この脳の損傷は、試合中の心臓発作によって、一時的に脳への酸素供給が不足したことが原因とみられている。
 
 アヤックスのエドウィン・ファン・デルサルCEOは、この結果に対して「こんな最悪の知らせはない。言葉では言い表せないほど辛い」とコメントしている。
 
 アムステルダム出身でモロッコにルーツを持つヌリは、アヤックスのアカデミーで育ち。昨年10月にトップデビューを飾ると、その後も継続的に起用され、公式戦15試合に出場。オランダの年代別代表の常連でもあり、大きな期待が寄せられるスター候補生だった。
 
 現実的に厳しい状況ではあることは間違いないが、またその閃きに満ちた華麗なプレーが見られることを切に願いたい。
 
文・ワールドサッカーダイジェスト編集部
 
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