「歩くのも難しい…」バティストゥータが悲しみの告白

2017年07月11日 サッカーダイジェストWeb編集部

午前4時に医者を訪ねて……。

セリエAファンのみならず、多くのサッカーファンを虜にしてきた往年の名ストライカー、バティストゥータ。1998年のフランスW杯では日本戦で決勝ゴールも決めている。 (C) Getty Images

 1990年代を代表するストライカーで、元アルゼンチン代表FWのガブリエル・バティストゥータが、「今は歩くのが難しい」と衝撃の告白をした。FIFAのインタビューで明らかにしている。
 
 1988年にニューウェルスでプロキャリアをスタートさせたバティストゥータは、1991年夏にフィオレンティーナへ移籍するとゴールラッシュを披露し、一躍その名を欧州中に轟かす。01年夏にはローマに移籍して、同クラブを18年ぶりのセリエA戴冠に導いた。その後、2005年にカタールのアル・アラビでキャリアを終えている。
 
 アルゼンチン代表としても2度のコパ・アメリカ優勝に加え、同大会3度の得点王に輝くなど、華々しいキャリアを歩んできたバティストゥータだが、その代償はあまりにも大きかった。現在は酷使してきた膝の痛みに悩まされ、歩行が困難な状態にあるという。
 
 3年前から膝の激痛に悩まされていたというバティストゥータは、「私はまったく歩くことができなくなっていた。わずか3メートルのトイレにすらいけなくて、ベットを濡らす日々だった」と告白。そして両膝の切断を医師に相談したこともあったという。
 
「たしか午前4時だったと思う。たまらない痛みに襲われてね。このままだったら足に殺されてしまうと思ったんだ。それから医者に会いにいって、『膝を切り落としてくれ』と頼んだんだ。そうしたら『君は狂っている。落ち着け』と言われたよ。でも、当時はそれ以外に道はないと思った」
 
 義足の短距離ランナーで、アテネ五輪と北京五輪の金メダリストであるオスカー・ピストリウスを見て、「これが解決策だと思った」というバティストゥータ。痛みが増してきた3年前には、「フットボールが嫌いだ」と語ったこともあったが、解釈が誤解されているという。
 
「確かにそう言った。だけど、メディアとファンから身を守ろうとして言ったことなんだ。僕がイタリアで楽しい時間を過ごしていたことを思い出してほしい。誰もが常にフットボールの話をしていた。ピッチで起こること、戦術、トレーニングを愛していることは言うまでもないよ」
 
 フットボール愛を語ったバティストゥータ。膝は切り落とさずに治療を重ねているようだが、今なお歩行困難だという膝については、「フットボールは私の情熱になった。結局、サッカーに生きたんだ。膝は良くないよ。今では歩くことすら難しい。必要とされている以上に出し尽くしたからね」と現役時代の名誉の負傷であると語っている。
 
 昨年には膝の軟骨の手術を行なったというバティストゥータだが、状況は芳しくはないという。"バティ・ゴール"で世界中のサッカーファンを虜にした男の回復を願いたい。
 
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