「10番」の働きができる? エバートン復帰のルーニーに懐疑的な声…

2017年07月10日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

マンUでのラストシーズンは自己最低の成績。

古巣で10番を背負うルーニー。意気込みどおり、エバートンにタイトルをもたらすことができるのか。写真はエバートンの公式サイトより

 現地時間7月9日に、マンチェスター・ユナイテッドから古巣エバートンへの復帰が決まったウェイン・ルーニー。「チームにタイトルをもたらしたい」と本人は意気込みを語り、「タイトルの獲り方を熟知している」とエバートンの指揮官ロナウド・クーマンも期待を寄せる。背番号は10番に決まったが、はたして31歳のベテランにタイトルをもたらす力が残されているのか。
 
 マンチェスター・Uでプレーした最後の16-17シーズンは、衰えを露呈した。加速力が鈍り、スピードが低下。運動量も落ち、ジョゼ・モウリーニョ監督からは控え降格を告げられてベンチが定位置となった。プレミアリーグでの25試合・5ゴールという成績はどちらも、エバートンで16歳でデビューしてから16年間で最低だった。
 
 今年1月にはボビー・チャールトンが保持していたマンチェスター・Uの歴代最多得点記録(249ゴール)を更新したとはいえ、見せ場と言えばそれくらい。ともに優勝したリーグカップとヨーロッパリーグでも、ルーニーはリーグカップの決勝は出番がなく、ヨーロッパリーグの決勝は90分に交代出場でピッチに立っただけだった。
 
 そんなルーニーのエバートンでの活躍に懐疑的なのが、『デイリー・ミラー』紙のデイビッド・アンダーソン記者だ。移籍が確定的になった7月5日に同紙のウェブサイトでこう論じている。
 
「クーマン監督が攻撃陣に求めているのはスピード、エネルギー、ダイナミズムだ。そのいずれも、ルーニーはもはや持ち合わせてはいない」
 
「マンチェスター・ユナイテッドでも、イングランド代表でも居場所がなくなった。エバートンにそれがあるとは思えない」
 
 そう指摘した同記者は、エバートンのルーニー獲得は「エモーショナルな判断であり、フットボール的な判断では決してない」との考え方を示した。
 
 同紙のチーフ・スポーツ・ライターのアンディ・ダン記者も否定的な論調だ。
 
「過去12か月間のパフォーマンスから判断するかぎり、ルーニーがエバートンを強くするとは思えない」と、移籍決定3日前にそう結論付けた。
 
 事実、クーマン監督はルーニーが主戦場とするトップ下にさらなる補強を目論み、スウォンジーに所属するアイスランド代表MFのギルフィ・シグルドソンの獲得に3200万ポンド(約45億円)という高額の移籍金を用意していると伝えられる。
 
「プレッシャーはあるが、良いプレーをするための準備はできている。クラブの役に立てると確信している」と自信を覗かせたルーニーは、その言葉通り、愛する古巣で最後のひと花を咲かせ、勝利に貢献することができるだろうか。
 
文:ワールドサッカーダイジェスト編集部
 
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