"世界基準"を知る男――ポドルスキの加入で神戸はどう変わる?

2017年07月10日 白井邦彦

田中英雄は言う。「みんなが良い刺激にして、チームが良くなればいいなと思う」

新加入のポドルスキとハーフナー・マイクは、どんな変化をチームにもたらすか。(C)J.LEAGUE PHOTOS

 前節の川崎戦を0−5で大敗し、リーグ3連敗で迎えた今節の仙台戦。チームに暗雲が立ち込めるなか、試合2日前の7月6日に元ドイツ代表のポドルスキが来日した。
 
 記念イベントには約1000人のファン・サポーターが足を運び、その後に行なわれた記者会見には多くの報道陣が詰めかけた。翌日には予定を変更して神戸の練習に合流。メディカルチェックを直前に控えていたため、超軽めのリラックスゲームへの参加だったものの、チームに明るい雰囲気をもたらした。
 
 もちろん、ポドルスキの来日だけが仙台戦に3−0で勝った要因ではない。むしろ最後のひと押し的な要素だが、仙台戦後に田中英雄はこんなコメントを残している。
 
「新加入選手たちが明るいニュースを届けてくれた。それをみんなが良い刺激にして、チームが良くなればいいなと思う」
 
 "良い風"という意味合いでは、早くもポドルスキ効果が出たのは間違いなさそうだ。
 仙台戦後のネルシーニョ監督の会見も興味深い。サマーブレイク中のチーム作りについて聞かれ、彼はこう答えている。
 
「今節も、実は怪我から戻ってきた選手がいたが、大事をとってこの試合を回避させた。そういった選手たちも大宮戦までにしっかりと万全にして、フルメンバーの準備をしたいと思います」
 
 この仙台戦ではCB岩波拓也が復帰した。指揮官のコメントから察すると、離脱中のボランチ藤田直之や高橋秀人、サイドバックの高橋峻希、橋本和、サイドハーフ大森晃太郎の復帰も間近。彼ら主力が戻ってくる上に、元日本代表FWのハーフナー・マイクも合流する。
 
 しかも、仙台戦を見る限り、小川慶治朗や三原雅俊らがコンディションをさらに上げている。7月29日の大宮戦までの約3週間は、かなり激しいレギュラー争いが展開されそうだ。
 
 そのなかで、ポドルスキが入った時の布陣がどうなるかを少し考えてみたい。
 
 今節の仙台戦では従来通りの4−4−2で挑んだ。仙台は3−4−2−1の可変システム。攻撃時に両ワイドが積極的にオフェンスに参加し、極端に言えばセンターバック3人以外の7人が攻撃に加わる。

次ページ今あるチームの枠組みに“世界基準”をはめ込むのか。それとも…。

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