コーチとしてVVVフェンロを1部昇格に導いた、藤田俊哉氏が選ぶ欧州ベストイレブンが『ポケサカ』に登場!

2017年07月07日 サッカーダイジェストWeb編集部

オランダの伝統スタイルである4-3-3をここでも踏襲

 ワールドサッカーダイジェストとコラボ企画を展開中の大人気サッカーシミレーションゲーム「ポケットサッカークラブ」(通称:ポケサカ)に、オランダのVVVフェンロでコーチを務める、元日本代表MF・藤田俊哉氏が選ぶ欧州ベストイレブンが、7月7日より登場。その選定について藤田氏が自ら、チームのコンセプト、理想のサッカー論を語ってくれた。
 
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 今回のテーマである『2016-17シーズンの欧州ベストイレブン』は、やはりオランダ流4−3−3のフォーメーションをベースに選んでいきたい。
 
 現役を引退してから、僕はオランダのVVVフェンロというクラブで3年半、コーチとしてやってきた。その間、いろんな監督を見てきたけれど、ほとんどの人がいわゆる「アヤックス-バルセロナ」のルーツでもある、伝統のスタイルで戦っている。それほど、オランダでは4-3-3に対するこだわりは強い。
 
 16-17シーズンは、僕自身、指導者としてターニングポイントとなった。VVVフェンロがオランダ2部リーグで優勝して、念願の1部昇格を果たしたからだ。コーチという立場ではあるものの、指導者生活を始めて3年半が経ち、ようやくひとつの結果を残せたのは、とても喜ばしい出来事だった。
 
 VVVフェンロもずっと4-3-3の形を変えることなく、一貫してこのフォーメーションで戦い抜いてきた。
 
 もっとも、現代サッカーでは、より柔軟な戦い方が求められる。4-3-3はあくまで基本のフォーメーションで、試合が始まれば、相手のシステムに応じて2トップスタイルの4-4-2に変えたり、中盤に厚みを持たせるために4-1-3-2に変形させたりする。
 
 相手の出方や試合状況によって、いろんな引き出しを持って戦っていかなければならないのだ。
 
 シーズンの"最強"を選ぶのならば、欧州最高峰のチャンピオンズ・リーグ(CL)の活躍度を反映したメンバーになる。5大会連続の大会得点王に輝いたクリスチアーノ・ロナウドを筆頭に、決勝の舞台に立ったレアル・マドリーとユベントスの2チームを中心に選ぶべきだろう。
 
 実際、僕もマドリーからはマルセロ、ダニエル・カルバハル、トニ・クロースの3人、ユベントスからはパウロ・ディバラをチョイスした。セルヒオ・ラモスも、本来ならば外せない選手なのは、十分理解しているつもりだ。
 
 しかし、僕自身がオランダを拠点に戦ってきたシーズンだからこそ、"オランダ推し"は避けられない。その点で言うと、ヨーロッパリーグ(EL)準優勝を果たしたアヤックスの躍進は、僕にとって大きなサプライズだった。
 
 エールディビジ(オランダ1部リーグ)の優勝こそフェイエノールトに譲ったものの、アヤックスは将来性豊かな若手を中心に、攻撃的なスタイルを貫いてELのファイナリストになった。クラブの伝統である、若手中心のチーム編成は、輝かしい未来を予感させる。
 
 その「輝かしい未来」というキーワードこそ、僕が求めている理想のクラブ像だ。観ていて常にワクワクさせてくれるのが、フットボールの最大の魅力であるはずだから。未来に向けてワクワク感のある若手を中心に、"最強"を目指す視点から、今回のベスト11を選んでみた。
 
 それゆえ、センターラインの軸には若手を4人並べた。
 
 GKは、ミランのジャンルイジ・ドンナルンマ。ミランの成績はまたしても振るわなかったものの、EL出場権を確保したので、最低限のノルマはクリアしたと言える。
 
 なかでもドンナルンマは、18歳ながら安定したセービングで、何度も窮地を救った。現役ナンバーワンGKのマヌエル・ノイアー(バイエルン)を超える日が来るのも、時間の問題だろう。
 
 CB、MF、FWの一角として、前述のアヤックスから、3人をエントリーさせた。FWのキャスパー・ドルベア(19歳)、MFアブデラク・ヌリ(20歳)、そしてCBのマタイス・デリフト(17歳)だ。

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