【柏】リーグ11試合ぶりの黒星。鹿島戦で浮き彫りになった個の力量差は埋められるのか?

2017年07月03日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

個人としての力量差は確かにあったものの、それほど大きくはなかった印象。

鹿島に敗れ、10試合続いた柏の無敗記録が途絶えた。両者の間には、わずかながら力量差があった。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ17節]柏2-3鹿島/7月2日(日)/柏
 
 鹿島に痛恨の逆転負けを喫した柏は、7節の神戸戦から続いた無敗記録が途絶えた。
【柏2-3鹿島 PHOTO】激闘の上位対決は逆転で鹿島が柏に勝利!
 
 接戦となった試合で勝敗を分けたのは、個人の力量だった。その差がスコアに表われた。柏側に決して個の力がなかったわけではないが、2-3という僅差のスコアと同様、鹿島の方がわずかに個人の勝負強さが備わっていたように感じた。
 
 序盤から柏はクリスティアーノという強力なブラジル人FWや、スピードのある伊東を中心にパワフルかつスピーディな攻撃を展開。前半、主導権を握っていたのは、むしろ柏の方で、1点リードで折り返した。
 
 しかし後半、昨季王者の鹿島に力の差を見せつけられる。53分に、マークが緩くなった一瞬の隙を突かれ、金崎に強烈なミドルシュートで失点を許すと、その3分後、FKから追加点を献上。その後62分に、クリスティアーノのゴールで一時同点に追いつくも、72分にはペドロ・ジュニオールに独力で突破を許し、決勝点を奪われた。
 
 いずれの失点も一瞬の隙を突かれた、あっという間の出来事だったが、それ以外の場面では決定機をほとんど作らせず試合を運んでいた。個人としての力量差は確かにあったものの、埋めきれないほどの大きな差はなかった印象だ。
 
 それだけに、鹿島などの強豪を相手にした時は、こうした一瞬の隙が命取りになるということを改めて実感させられたはずだ。
 
「そこまでやられた感じはしないけど、だからこそああいう失点した一瞬の場面を止めないといけない。1対1という自信になっていた部分をやり直さないといけなくなってしまった」
 
 CBの中谷進之介のこの言葉からも、一瞬の隙を与えてしまった悔しさが窺える。
 
 右SBでフル出場した小池龍太も、「能力とかではなく判断の部分。極端なことを言えば、時にはファウルをしてでも止めなければいけない。コンマ何秒ですけど、そういうところを詰めていかないといけない」と反省を口にするように、小さな判断の差が、大きな結果の差として表われたゲームだった。
 
 その差は、守備面だけでなく攻撃面でも表われていた。

次ページ今後タイトルレースに生き残るための大きなポイントは。

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