【J2】ホームで6発ぶち込まれた山形と岐阜。スペクタクルを演じたのは?

2017年06月26日 サッカーダイジェストWeb編集部

0-6から1点返すにとどまった山形と4-6の乱打戦を演じた岐阜。

6点取られても4点奪い返すところに哲学が滲み出る。大木監督率いる岐阜が娯楽性に富んだゲームを展開。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

 J2リーグは6月25日、20節の11試合が開催されたが、ホームゲームで大量6失点での不名誉な敗戦を喫したのが、モンテディオ山形とFC岐阜だ。多くのホームサポーターの目の前で次々と失点を重ねてしまった両チーム。しかし、その内容に関して言えば、大きな隔たりがあった。

 ここ9試合負けなしの山形は前節まで5位につけ、上位を虎視眈々と窺うなか、今節は徳島と対戦した。雨のなか、慎重な立ち上がりを見せたチームはしかし、序盤の11分にPKを献上し、これを岩尾に決められあっさり先制を許すと、ここから一気に守備が崩壊。23分、24分と山﨑に追加点を決められ、さらに33分には渡に4点目を奪われ、前半で勝負ありの展開に。

 後半も54分に渡に5点目を奪われると、55分にも見事な連係プレーで中央を引き裂かれ、杉本にトドメの6点目を許した。山形も反撃に出るも、85分に瀬沼がPKで1点を返すのみ。結局1-6の完敗に終わった。

 山形の木山監督は試合後のインタビューで「何がハマらなかったのか?」と問われると、サバサバした表情で、「すべてでしょうね」と率直に述べた。

 一方、岐阜は千葉と激しい撃ち合いを演じた。先制したのは岐阜で、千葉のミスを逃さなかった大本がDFひとりをかわして幸先の良い先制点。いったんは同点に追いつかれたものの、永島の鮮やかなダブルタッチパスから縦に抜け出した古橋が右足で流し込み勝ち越しに成功する。だが、すぐさま千葉の指宿に豪快に叩き込まれ、2-2の同点で前半を折り返した。

 後半に入ると、千葉が一気に点差を広げる。清武が鮮やかなドリブルシュートでゴールネットを揺らし逆転に成功すると、キム・ボムヨン、アランダにゴールが生まれ、千葉が5-2とする。

 しかし岐阜も追いすがる。67分に再び古橋が難波とのワンツーで抜け出し2点差に迫るゴールを奪う。その直後に千葉のラリベイに追加点を許してしまうが、78分に岐阜は古橋の二度にわたる深い切り返しからのクロスを、永島が押し込み4-6として再び2点差とする。

 結局、スコアは4-6から動くことはなかったが、岐阜は千葉との大胆な点の取り合いを演じきった。試合後は両チームの指揮官もやや興奮した面持ちで、千葉のエスナイデル監督が「間違いなく楽しい試合だったと思う。ふたつのチームがぶつかり合い、『サッカー』を作り上げた」と語れば、岐阜の大木監督も「6点取られたのは非常に残念だが、4点取れた。そこを見ていきたい」と多くのゴールが生まれた試合を振り返った。

 6失点を喫するも、対照的な内容となった山形と岐阜だが、両チームの戦績も対照的だ。山形は前節まで9戦負けなし、目下J2で最少黒星の3敗だった一方で、岐阜は今節の敗戦で9戦勝ちなしに。スペクタクルでは岐阜が上回るものの、シーズンを通しての安定感では山形が上のようだが、この衝撃的な敗戦をきっかけに両チームが今後どんな変化を遂げるのかも見ものだ。
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