オランダ1部移籍決定の堂安律がU-20W杯で痛感していた「世界との差」とは?

2017年06月23日 松尾祐希

「イタリア戦でゴールを奪えたとかではなく、得点を継続して奪うことが大事」

オランダ1部のフローニンヘンへの期限付き移籍が決まった堂安。飛躍を期待したい。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 ガンバ大阪の堂安律が6月23日、市立吹田サッカースタジアムで記者会見を開き、オランダ1部のFCフローニンヘンに期限付き移籍することを発表した。移籍期間は17年の7月1日から18年6月30日までとなっており、同25日のホーム・川崎戦がラストマッチとなる。
 
 先月のU-20ワールドカップでも印象的なプレーを見せ、4試合で3得点を奪った。グループステージ突破が懸かった第3戦・イタリア戦では日本を決勝トーナメント進出に導く2ゴールを奪取。とりわけ2点目の一撃は圧巻だった。
 
 自らの得点で1-2にして迎えた50分、中学時代からの盟友・市丸瑞希(G大阪)から縦パスを受けると、ドリブルでゴールをこじ開けに掛かった。1人、2人、3人と抜き去り、残すはGKだけ。ここでも慌てることはなく、巧みに相手を外して、日本に貴重な同点ゴールをもたらした。スタンドから大きな響めきが起こるほどのスーパーゴール。日本を決勝トーナメント進出に導く値千金の一撃は、世界に『堂安律』の名を知らしめるのに十分なモノとなった。
 
 しかし、次のベネズエラ戦では体力の消耗もあって沈黙。イタリア戦で放った輝きを見せられず、日本をベスト16以上の結果に導くことはできなかった。
 
「ウルグアイ戦もそうでしたが、最後の1本の質。ベネズエラ戦も直接FKがありましたし、後半は崩してシュートを打ったシーンもあった。そこで決め切る選手が『あいつはやっぱり決める選手だな』と思ってもらえる。イタリア戦でゴールを奪えたとかではなく、得点を継続して奪うことが大事」
 
 この結果に堂安は悔しさを露にし、U-20ワールドカップで痛感した世界との差を埋めることを誓った。
 
 これからは、東京五輪の主役候補として、オランダに戦いの舞台を移す。
「海外の選手はゴールなどの数字にこだわっている」という世界各国の選手との争いに打ち勝つべく、結果を残せるのか。高校2年生でトップデビューを果たし、3年時には飛び級でプロ契約を結んだガンバの至宝の新たなチャレンジに大きな期待が集まる。
 
取材・文:松尾祐希(サッカーライター)
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