【浦和】今季最大のブーイング。選手・スタッフはどう受け止める?

2017年06月19日 塚越 始(サッカーダイジェスト)

主将の阿部は言った。「僕たちも悔しい。そんな悔しい想いをサポーターにさせたくはない」。

今季最多4失点を喫しての逆転負け……。試合後、呆然と立ち尽くす浦和の選手たち。サポーターからは今季最大のブーイングが起きた。写真:サッカーダイジェスト写真部

 [J1 15節]浦和レッズ 2-4 ジュビロ磐田/6月18日/埼玉

 浦和が磐田に今季最多4失点を許して逆転負けを喫し、ついに暫定8位まで順位を落とした。リーグ戦は最近1勝1分4敗。シーズン序盤のスタートダッシュを考えると、今まさに踏ん張りどころだ。
 
 試合後、ゴール裏をはじめ多くの浦和サポーターから今季最大のブーイングが起きた。アウェーの大宮戦後にも起きていたが、今回はホームの埼玉タジアム。重みのあるブーイングだった。
 
 昨季の7月7日の大宮とのさいたまダービーで2-2引き分けに終わったあと、ブーイングが起きた。そのあと柏木陽介が「シーズンとおして、チームにはいろいろな時期がある。一緒に戦ってほしい」と選手の想いを代弁。ブーイングをするタイミングについて疑問を投げかけ、『サポート』について改めて考えるキッカケとなった。
 
 その後、確かに観客から浦和の選手に対するブーイングは減った。チーム状態が右肩上がりになっていったこともあるだろう。もちろん不甲斐ない試合をしたあとに怒りをぶつける人も少なからずいたが、選手が前向きになれるように、拍手でたたえる光景が増えた。
 
 例えば今季、ACLのアウェー韓国で迎えたベスト16の済州との第1戦。普段とシステムを変えて試合に臨んだ浦和は0-2で敗れた。それでも日本から訪れた多くのサポーターは、1週間後のホームでの試合に向けて、拍手で選手たちをたたえた。そして、選手たちもその声に応えるように、ホームでの第2戦は3点を奪って「逆転勝利」を収め、9年ぶりのベスト8進出を果たした。
 
 ただ、今回の磐田戦は、スコアのみならず、内容も散々の「完敗」だった。走り負け、競り負け、ミスを繰り返し、逆転負け……。しかも中村俊輔という大黒柱を欠く磐田に、だ。
 
 キャプテンの阿部勇樹は、今回のブーイングを「当然のこと。こんなゲーム、誰も見たいと思っていない」と受け止めていた。
 
「結果がすべて。(ブーイングを受けて)僕たちも悔しい。そんな悔しい想いをサポーターにさせてはいけない。この気持ちを忘れず、同じことを繰り返さないように、しっかり責任を持ってやらなければいけない」
 
 自身の7年ぶりの2ゴールについて問われると、「そんな得点のことはいい」と意に介さなかった。
 
 今回のブーイングを選手・スタッフはどう受け止めるのか。それを気にして委縮してしまっては本末転倒だが、ピッチの上で、答えを示すしかない。

 しかも次戦は、毎年必ず何かが起きてきた浦和にとっての関門、ベアスタ(ベストアメニティスタジアム)での鳥栖戦だ。今季の重要なターニングポイントになるかもしれない。
 
取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)
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