【現地発】日本代表の酒井宏樹がピンチ!? マルセイユ指揮官が大物SBの獲得を仄めかす

2017年06月10日 結城麻里

クラブ推進の補強プロジェクトの影響で…。

16-17シーズンは国内リーグ35試合に出場した酒井。マルセイユのビッグネーム獲得で、右SBのポジション争いは激化する!? (C) Getty Images

 フランスの名門マルセイユで、右サイドバックの主力に定着した日本代表DF酒井宏樹。その右サイドバックに、ライバル出現の可能性が浮上している。
 
 クラブが推進する『チャンピオンズ・プロジェクト』の本格始動に伴い、右サイドバックにも補強計画が持ち上がり、マンチェスター・シティを退団したフランス代表DFのバカリ・サーニャがリストアップされたのだ。
 
 6月9日にオープンしたフランスの移籍メルカートで、マルセイユは1億ユーロ(約120億円)近くを注ぎ込むとされている。チームにおいて最終的な発言権を持つリュディ・ガルシア監督は、「各ポジションに少なくともひとりの補強が必要」と語り、最優先事項と目されるアタッカー陣やCBに加え、酒井がいる右サイドバックもテコ入れすると明言したのだ。
 
 サーニャはすでにシティとの契約が満了となり、チームを退団しているため、フリーで獲得できる。そのうえフランス代表歴が65キャップを数え、経験値は文句なし。「実力と経験で信頼感と安定感をもたらせる」といった意見が大勢を占めている。
 
 当然、異論もある。6月7日に放送されたテレビの人気討論番組で、有名アナリストのディディエ・ルストンは、「右サイドにはサカイがいるじゃないか! サーニャとサカイならばほとんど変わらない。いや、サーニャの方が少しだけ上だと言えるかもしれないが、あくまでも少しだけだ。年齢も考えてみろ!」と怒声を上げた。
 
 シーズン中に米国人実業家のフランク・マッコート氏がクラブを買収するという、いわば激動期といえる2016-17シーズンを戦い抜いた酒井。同ポジションには実質的にバックアッパーがおらず、リーグ・アンでは35試合に出場した。
 
 そんな日本人の活躍を受け、多くのマルセイユ・ファンは、「先発に留めながら、休暇も与えられるように控えを獲るべき」と見ていた。だが、サーニャとなれば話は別だ。無論、酒井は熾烈な競争の中に身を投じることになる。
 
 もっともサーニャ獲得説には慎重な見方もある。34歳という高齢に加え、サラリーもうんと高いからだ。ガルシア監督は「チームは建設の真っ最中にあり、補強の仕方を誤ってはならない」と、チームの屋台骨を固める意志も明らかにしている。

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