周辺国と断交のカタール、2022年W杯は開催不可能? 代替地探しの動きも!?

2017年06月10日 サッカーダイジェストWeb編集部

「テロを支援する国でW杯を開催すべきではない」(DFB会長)

ハリファ・インターナショナル・スタジアムはすでに完成し、5月にオープニングセレモニーが行なわれた。果たして5年後、全ての難関を乗り越えて開会の時を迎えることができるだろうか。 (C) Getty Images

 サウジアラビア、UAE、エジプト、バーレーンといった周辺の中東諸国が、カタールに対して「テロを支援している」との理由で国交を断絶したことは、あらゆる分野において悪影響を及ぼすと懸念されているが、それはサッカーについても同様である。


 特にカタールといえば、2022年ワールドカップの開催地であり、すでに9つの新スタジアム建設、周辺の商業施設の整備などが進んでいる。また、FIFAは同国の気候を考慮して大会初の11~12月開催を決定し、前例のない中東での祭典開催に向けてこちらも準備に余念がない。
 
 大会までにはまだ5年あるとはいえ、断交に伴い、空港や陸海空の交通が遮断されることで、国民の生活にも大きな支障を来す状態では、大規模なインフラの整備が滞ることは必至で、この状態がいつまで続くかも全くもって不明である。
 
 FIFAは、カタールのW杯運営組織と綿密に連絡を取り合っていると声明を出したものの、それ以上のことには言及していない。AFC(アジア・サッカー連盟)も、現在は自体の成り行きを静観している。(『ESPN』より)。
 
 一方、欧州では、イングランドのFAは声明を出していないが、ドイツ・サッカー連盟のラインハルト・グリンデル会長が「全世界のフットボール・コミュニティーの総意として、テロを支援する国でW杯を開催すべきではない」と語っている。
 
 FIFAは、人権弾圧が問題とされていたアルゼンチン(1978年)に開催権を与えたり、汚職が蔓延していたブラジル(2014年)、武力でクリミア半島を併合しようとして世界中から非難を受けたロシア(2018年)でのW杯を敢行したりするなど、国際情勢には目を背けて独自の価値観や基準で開催国を選出してきた。
 
 アメリカの『US TODAY』はFIFAのこういった姿勢を批判し、「今回も彼らは、これまでと同様に世の情勢には目を瞑り、ただ幸運を祈りながら、何事もなかったようにカタールでの大会開催を推し進めようとしている」と記している。
 
 しかし、世界のメディアのなかには、すでにカタールでの開催は不可能と考えているところも少なくない。そして、代替地についても言及している。

次ページカタールは「開催権を剥奪されているべきだった」と米メディア

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事