ドルトムントの新監督に就任した元Jリーガー、ボシュは「クライフ哲学」の継承者

2017年06月07日 サッカーダイジェストWeb編集部

「彼のスタイルが我々の求めるものと近かった」(ヴァツケCEO)

ヘラクレス指揮時(2004~06年)には、平山相太(現仙台)を指導したこともあるボシュ監督。若い選手の多いドルトムントをどれだけ魅力的な集団にできるか、非常に楽しみだ。 (C) Getty Images

 トーマス・トゥヘルの解任で空位となっていたドルトムントの監督の座に、前アヤックス監督のオランダ人、ペテル・ボシュが就くことが決定し、6月6日に就任会見が行なわれた。


 昨シーズン、アヤックスをヨーロッパリーグ決勝に導き(準優勝)、国内リーグでもフェイエノールトと熾烈な優勝争いを展開(2位)するなど、チームを飛躍させたことでさらに評価を高めた53歳のボシュ監督は、これまでオランダ、イスラエルのクラブで指揮を執ってきた。

 選手時代はフィテッセ、フェイエノールトなどの国内クラブの他、トゥーロン(フランス)、ハンザ・ロシュトク(ドイツ)などの国外クラブに所属。オランダ代表としても8試合を戦った彼は、ジェフユナイテッド市原(現千葉)でプレー(1996、97、99年)した元Jリーガーでもある。

 2019年までの2年契約を結んだボシュ監督は「ドルトムントのような規模の大きいクラブを率いることができるのは、大きな誇りだ」と喜びを表わし、「クラブとは互いに敬意と高いクオリティーを保ちながら、良い仕事ができると思う」と、新天地での采配に胸を躍らせた。(『キッカー』より)

 これに対し、ドルトムントのハンス・ヨアヒム・ヴァツケCEOは「ボシュ新監督とクラブの相性は良いと思う。チームをさらに高めてくれるのではないだろうか」と期待を寄せ、2年契約は「双方にとって最良の期間だと思う」と語っている。

 ボシュ監督を迎えた理由については、「彼の信奉するスタイルが、我々の求めるものと近かったからだ。フレッシュで、攻撃的で、独特なポゼッションサッカーを構築できること。そして相手に強いプレッシャーをかける点もだ」と明かした。

「若い選手と仕事をするのが好きで、重要な試合でも彼らを起用することを恐れない」というボシュ監督については、『UEFA.com』も注目し、「ドルトムントに最適な理由」というタイトルで取り上げている。

 このなかで、「クライフの哲学を受け継いだ者がいるとすれば、それはペテル・ボシュだ。彼は1-0より5-4で勝つことを望む」との関係者の評価、また「(守備的MFだった)私と同じようなプレーばかりしても楽しくない」といったボシュ監督自身のコメントを紹介している。

 また、ドルトムントに最適な理由としては、ユルゲン・クロップ(現リバプール)、トゥヘルの下で攻撃サッカーを続けてきたチームにとって、クライフ、ジョゼップ・グアルディオラを信奉するボシュは、まさに適任だということ。そしてドイツ語が堪能であることも理由に挙げている。

 ドルトムントといえば、去就が注目されていた香川真司の残留がほぼ確実視されているが、もしそうなれば、元Jリーガー監督との共闘は非常に興味深い。今オフ、そして来シーズンもまた、ドルトムントからは目が離せなくなりそうだ。

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