【清水】勝てない理由は守備にあり?小林監督が「本当にもったいなかった」と悔やんだFC東京戦の”甘さ”とは

2017年06月06日 前島芳雄

後半も押され気味の展開だったが、先にチャンスを作ったのは清水だった。

拮抗した試合をしていたが一瞬の隙を突かれて失点。清水の負けパターンだった。(C)J.LEAGUE PHOTOS

[J1リーグ14節]清水0-2FC東京/6月4日/アイスタ

 カウンター対応の甘さから先制点を奪われ、攻めに出て後ろが薄くなったところで追加点を決められてしまう。清水にとっては、最近の負けパターンそのものだった。勝てているときなら冷静にプレーできる選手でも、勝てていない時は危険な状況で慌ててしまうことが多くなる。その泥沼を抜け出すのは容易ではないということを、痛いほど突きつけられたホーム2連敗だった。
 
 キャプテンの鄭大世が脳震盪の影響で欠場したなか、小林伸二監督がチアゴ・アウベスの相棒としてトップに先発させたのは、好調なミッチェル・デュークだった。また、フレイレまで離脱したセンターバックでは、水曜日の試合で良いプレーを見せた村松大輔が起用され、角田誠と初コンビを組んだ。
 
 それでも立ち上がりは決して悪くなかった。ある程度守備から入る戦い方で、風上ということもあって長いボールが多くなったが、デュークが空中戦で強さを発揮し、他の選手がセカンドボールを拾ったところから連係して押し込む場面を作った。フルメンバーのFC東京に対しても、互角以上に戦えていた。
 
 だが、20分に白崎が負傷交代したところから徐々に歯車が狂い始める(翌日の発表では、右脛腓靭帯結合部損傷で全治3か月という予想以上の重症)。代わりにデュークが左MFに下がり、北川航也がトップに入ったが、高い位置でタメや変化を作り出せる白崎がいなくなったことで、攻撃がかなり単調になってしまったのだ。
 
 北川とチアゴの2トップはタイプが似ていて、まだ連係も不十分なため、お互いの良さを引き出し合うことができない。そのため個の力に頼った速攻が主体になり、単発で厚みのない攻撃になっていった。
 
 そうしてボールを失うのが早くなった分、FC東京に押される時間は増えたが、後ろは粘り強く対応し、前半で2度あった決定機はどちらもGK六反勇治のファインセーブでしのいだ。
 
 後半も押され気味の展開は変わらなかったが、攻めに出た時は積極的な仕掛けができ、清水のほうが先にチャンスを作っていた。鄭と白崎という大駒を欠くなかで、狙い通りのサッカーはできなかったが、辛抱強く戦いながら先に点を取れていれば、十分に勝つ可能性はあった。チアゴのキックによるセットプレーで点が取れそうな雰囲気も漂っていた。

次ページ痛い思いが続きすぎると、立て直しが難しくなる。

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