ユーベ地元のPV会場で大事故…600名超が負傷、4歳の子供が重体とも

2017年06月04日 サッカーダイジェストWeb編集部

「ヘイゼルの悲劇を連想させる」との報道も…。

多くのユベンティーノが逃げ惑った結果、将棋倒しとなり大惨事に…。被害にあった人々の無事を祈りたい。 (C) REUTERS/AFLO

 ユベントスのアンドレア・アニェッリ会長は試合後のテレビインタビューで、悲願を達成できなかった落胆と、チームへの賛辞を述べた後に、「ちょっといいかな。トリノで事故があったと聞いたのだが…」と切り出した。
 
 番組側が映像や最新情報を伝えると、アニェッリ会長は顔をさらに曇らせ、「喜びと祭りの夜になるはずだったのに……。彼らに想いを馳せ、ここカーディフから抱擁を送るばかりだ」と、悲劇に襲われたサポーターに連帯の言葉を発した。
 
 現地時間6月3日に行なわれたチャンピオンズ・リーグ(CL)決勝で、レアル・マドリーに1-4と敗れたユーベ。その地元トリノのサン・カルロ広場で開催された決勝のパブリックビューイングの途中で、サポーター同士が将棋倒しになり、多数の負傷者を出す事故が起きてしまったのだ。
 
 イタリア紙の『ガゼッタ・デッロ・スポルト』や『コッリエレ・デッラ・セーラ』など複数の地元メディアによると、トラブルの正確なきっかけは不明とのこと。分かっているのは、ユーベが1-3と2点ビハインドを背負った後に、轟音が鳴り響いたことや「逃げろ!」という叫び声が聞こえたことで、パニックに陥った人々が逃げ惑い、事故に至ったという。
 
 現地メディアの報道によれば、轟音は爆竹だったとの見方に加え、広場の地下駐車場に続く階段の手すりが壊れ落ちたことも原因に挙げられているという。
 
 いずれにしても、5月22日のマンチェスターや、今回のCL決勝と時を同じくして発生し、6人が帰らぬ人となっているロンドンの一件など、テロ事件が頻発している欧州だけに、ひとつのきっかけで居合わせた人々が恐怖からパニックに陥ることは想像に難くない。
 
 負傷者の中には重傷者もいるようで、幼い子供も重体だという。ただし、コッリエレ・デッラ・セーラ紙が重傷者を10名、『レプッブリカ』紙は5名と伝え、子供の身元についてもガゼッタ・デッロ・スポルト紙が7歳、コッリエレ・デッラ・セーラ紙が4歳と伝えるなど、情報は錯綜している。
 
 だが、多くのメディアが負傷者の数を600名超と報じており、大規模な事故だったことは間違いない。現場証言の中には、「まるでヘイゼルのようだった」と、ユーベ・サポーター39名が死亡した1985年のチャンピオンズ・カップ決勝(ユベントス対リバプール)での「ヘイゼルの悲劇」を連想させたほどとの声もあった。
 
 なお、コッリエレ・デッラ・セーラ紙によれば、混乱の中で人々が置き去りにしたカバンなどを盗んだ2名が逮捕されたとのこと。不幸に乗じる非道な振る舞いが正されることを願いつつ、被害に遭われた人々の無事を祈りたい。

【CL決勝PHOTO】R・マドリーに屈したユーベ、悲願の達成ならず…

 
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