【U-20】イチフナでも代表でも変わらない。原と杉岡のある“感覚と資質”がチームを支える

2017年05月28日 松尾祐希

イタリア戦では高校時代を彷彿させる連係プレーでキーマンを封じる。

イタリア戦ではともにスタメン出場した市船コンビの原(16番)と杉岡(15番)。見事な連係で左サイドに安定をもたらした。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

"イチフナ育ち"の男たちが、欧州の強豪国を相手に堂々たるプレーを見せた。原輝綺(新潟)と杉岡大暉(湘南)だ。昨冬の高校サッカー選手権では、市立船橋のCBコンビとして名を馳せたふたりである。
 
 グループステージ最終戦のイタリア戦で背番号15の杉岡が初出場初先発となり、大一番で共演が実現した両雄。高校時代とは異なり、ボランチに原、左SBに杉岡が配置されたが、ふたりは半年前の選手権さながらの息が合った守りを披露した。
 
 とりわけ、イタリアの右ウイングを担ったリッカルド・オルソリーニへの対応は、ほぼタスク通りに実行。「杉岡には中を切ってもらって、中に入って来たら僕が潰すイメージでがっつり行ければ良い」と試合前に原が話していた通り、役割を明確にして相手に自由を与えなかった。
 
 また、攻撃面でも杉岡が前に出れば、原が気の利いたポジショニングでバックアップ。
「相手はカウンターがあって、質も高い。なので、そこのスペースは埋めないといけなかった。ただ、自分も攻撃にも絡まないといけない。なので、そこのバランスはすごく難しかったですけど、気を遣うのが自分の特長。それは苦ではない」(原)
 
 杉岡が前に行けば、穴は原が埋める。この役割を阿吽の呼吸でやってのけ、左サイドでの連係は実に秀逸だった。終盤は相手だけではなく自分たちも引き分け狙いになったことで、目立つ場面は少なかったかもしれない。それでも、グループリーグ突破を決める貴重な勝ち点1の獲得のために、彼らは最後まで与えられた役割をさぼらなかった。
 
「自分が多少相手を潰せなくても、あいつなら大丈夫だろうなと。良い意味でそういう想いがあった。ふたりでしっかりと相手を潰せたと思います」(原)
「原が上手く来てくれて、奪い切れた。ちょっと気持ち良かった(笑)。そういうプレーは嬉しいし、もっと潰せるようになっていきたい」(杉岡)
 
 高校時代を彷彿させるプレーを随所に見せ、ふたりも試合後は充実の表情を見せた。

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