バロテッリのイタリア代表復帰はお預け…指揮官の思惑とは?

2017年05月28日 サッカーダイジェストWeb編集部

クオリティー&結果と不安要素を天秤にかけた結果…。

ニースで結果を残したバロテッリ。しかし、イタリア代表復帰は叶わなかった。(C)REUTERS/AFLO

 噂された"ス―ペル・マリオ"のイタリア代表復帰は叶わなかった……。イタリア・サッカー連盟は現地時間5月27日、6月7日にウルグアイ(親善試合)、11日にリヒテンシュタイン(ワールドカップ予選)と戦う代表メンバー27名を発表。その中にマリオ・バロテッリの名前は入っていなかった。
 
 過去2年はリバプールとミランで結果を残せなかったバロテッリだが、16-17シーズンは新天地ニースで国内リーグ自身最多の17ゴール(22試合出場)。退場癖(3度のレッドカード)や故障の多さなど以前からの問題が完全に改善されたとは言い難いが、パフォーマンス的には復活を印象付けた。
 
 これによって2014年11月以来遠ざかっているイタリア代表への復帰話が浮上。監督のジャンピエロ・ヴェントゥーラとチームマネジャーのガブリエレ・オリアーリが4月下旬に本人と会談の場を持ったとも報じられ、ウルグアイ戦はニースの本拠地アリアンツ・リビエラが会場だけに、バロテッリが復帰する舞台としては理想的だとも見られていた。
 
 しかし、前記した通りアッズーリ復帰は叶わず。イタリアは実質B代表で5月31日にサン・マリノとの親善試合を組んでおり、そのメンバーは25日に発表されていたが、バロテッリはそちらでも漏れている。
 
 ヴェントゥーラ監督はここ1年ほど、「マリオのクオリティーに疑いの余地はない。しかし、グループの一員としての協調性や献身性、お互いに助け合うことも必要になる。彼は変わらなければいけないんだ」というニュアンスのコメントを繰り返してきた。指揮官がトリノ時代から重用するアンドレア・ベロッティとチーロ・インモービレの2トップが機能する現アッズーリのFW陣は、数年前のような深刻な駒不足を脱した。それだけにバロテッリのクオリティー&結果と不安要素(退場癖や献身性の欠如)を天秤にかけた結果、まだ後者のほうに針が振れるということだろうか。
 
 ニースとの契約が今年6月30日で切れるバロテッリは、今夏の新天地行きが確実。現在はラス・パルマス、マルセイユ、リヨン、アンタルヤスポルなどが候補に挙がっており、さらに代理人のミーノ・ライオラは最近「イタリア復帰もありえる」とも語っている。
 
 バロテッリが2018年のロシア・ワールドカップに出場するのは、17-18シーズンにピッチ内外で"更生"したことをヴェントゥーラ監督にアピールするしかない。その意味でも今夏の新天地選びは極めて重要だ。

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