「カネ目当て? バルサの方が額は上だった」16歳ヴィニシウスのマドリー移籍舞台裏を代理人が明かす

2017年05月26日 サッカーダイジェストWeb編集部

R・マドリー移籍理由は「プロジェクトを好んだ」から。

その表情にはまだ幼さも残るヴィニシウス。本人も自らが成熟していないことを理解し、当面はフラメンゴでの研鑽を使った。 (C) Getty Images

 弱冠16歳で世界の名門レアル・マドリーに、それも4500万ユーロ(約54億円)という大金で移籍することが決まれば、その存在が騒がれないはずはない。
 
 R・マドリーが現地時間5月23日にフラメンゴとの合意を発表したヴィニシウス・ジュニオール。今月に入ってプロ契約を結び、デビューしたのが2週間前という超新星は、この契約で一気に世界中から注目される存在になった。「18歳以下の選手の国外移籍を禁止する」というFIFAのルールにより、マドリーへの正式な加入は18歳の誕生日(7月18日)を迎える2018年7月。また、2019年7月までフラメンゴに所属する契約だが、両クラブが合意に達した場合は、前倒しでスペインに渡る。
 
『ESPN』によると、ヴィニシウスはブラジル・メディア『フォックス・スポーツ』のブラジル版で、「クリスチアーノ・ロナウドや(ガレス・)ベイルは好きだけど、今はフラメンゴのことだけを考えている」と、"銀河系軍団"に加わる前にもっと成長する必要があると謙虚に述べている。
 
「冷静に、フラメンゴでの時間をしっかり過ごしてから(R・マドリーに)行きたい。1年か2年後にね。もっと成熟するためだ。2年以内にレアル・マドリーのことは考えるよ。今はフラメンゴのユニホームで多くのタイトルを獲得したい」
 
 そのプレースタイルからブラジル代表FWのネイマールと比較されるヴィニシウスは、「彼とハグをして『僕のアイドルだ』と伝えたい」と、R・マドリー移籍が決まっても、バルセロナに所属する母国の先達への変わらない憧れを明かしている。
 
 バルセロナやユベントスなどメガクラブとの熾烈な争奪戦を制したR・マドリーだが、代理人のフェデリコ・ペナによると、提示された条件はバルサのほうが上だったという。ブラジル・メディア『グローボ』でのコメントをスペイン紙『マルカ』が伝えている。
 
「バルサのオファーはR・マドリーのそれを上回っていた。ヴィニシウスはより稼げたんだ。だが、彼はR・マドリーのプロジェクトを好み、我々は合意した。彼がカネ目当てでR・マドリーを選んだと信じている人もいるが、それは間違いだ」
 
 また、同代理人は、ラファエル・ヴァランヌ、カゼミーロ、マルセロなど、若くしてR・マドリーに加入して、トップチームの主力として活躍している選手が多いことも移籍の決め手になったと明かしている。
 
 確かに、まだ16歳のヴィニシウスが欧州の大舞台で躍動する日はまだ先の話だろう。だが、12歳の入団時から彼を知るフラメンゴのゼ・リカルド監督は、マルカ紙で「彼には輝かしい未来が待っている」と太鼓判を押した。技術はもちろん、ヴィニシウスの気質も高く評価する同監督は、成功を確信しているようだ。
 
「フラメンゴだろうがR・マドリーだろうが、彼は所属するクラブにとって重要な選手となる。だが、それだけじゃない。ブラジル・サッカーや全てのサッカー界にとっても重要な存在になるんだ」
 
 元ブラジル代表でフラメンゴのOBでもあるジーコからは、「慎重に、重圧をかけてはいけない」との指摘も受けた16歳の「NEXTネイマール」ことヴィニシウス。今後、どのようなキャリアを歩んでいくのかに注目したい。
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