“闘犬”ガットゥーゾがミラン復帰へ! ユース監督就任合意と現地報道

2017年05月25日 サッカーダイジェストWeb編集部

5月20日にピサを退任して新天地を探していた。

スイス、ギリシャ、イタリアで指導者キャリアを積んできたガットゥーゾ。U-19チームながら念願のミラン復帰が叶いそうだ。(C)Getty Images

 前オーナーのシルビオ・ベルルスコーニも、その右腕だったアドリアーノ・ガッリアーニ元副会長も、そしてミランの復活を願うサポーターたちも、今年4月13日に誕生した新経営陣によるこの人事には満足ではないだろうか。
 
『スカイ・スポーツ』や『メディアセット』、『ガゼッタ・デッロ・スポルト』などイタリアの主要メディアは現地時間5月24日、OBのジェンナーロ・ガットゥーゾがミランのプリマベーラ(U-19チーム)の監督に就任すると報じた。
 
 ガットゥーゾはミランの黄金期を支えたレジェンド。1999年から2012年まで在籍し、「闘犬」と呼ばれるほどの類稀なファイティングスピリッツとフィジカルの強さを武器とする魂の守備的MFとして活躍した。セリエAとチャンピオンズ・リーグを二度ずつ、クラブワールドカップとコッパ・イタリアを一度ずつ制覇するなど、数々のタイトル獲得に貢献したかつての「ミランの顔」のひとりだ。
 
 2012年に移籍したスイスのシオンでプレーイングマネジャーを半年間経験し、13年夏に現役引退して本格的に指導者へ転身。パレルモ(当時セリエB)やOFIクレタ(ギリシャ)を経て、2015年夏からはピサ(イタリア3部)を率いた。
 
 ピサでの1年目にセリエB昇格を果たしたガットゥーゾ監督だが、2年目の今シーズンはクラブの破産危機や身売り、勝点4の減点処分などさまざまなトラブルにも見舞われて低迷。リーグ2位の36失点ながら、同最低の23ゴールと得点力不足に泣かされて最下位にとなり、わずか1年での再降格が決定。5月20日には退任を発表していた。
 
 そんなリーノ(愛称)の新天地は、トップチームではなく、古巣の下部組織になるようだ。イタリアの各メディアは、「ガットゥーゾが家に戻る」とミラン・プリマベーラとの合意を報道。正式発表が近いと伝えた。
 
 イタリア紙『レプブリカ』によると、ガットゥーゾは「ほかの場所なら(この選択は)しなかった。ミランはミランだ」と述べており、古巣への強い愛情が決め手になったようだ。
 
 プリマベーラで経験を積んだフィリッポ・インザーギ、クリスティアン・ブロッキの両OBは、ベルルスコーニ体制下でトップチームを率いたものの、前者は1年、後者は2か月の短命政権に終わっている。
 
 中国資本となった新生ミランで、逆に他クラブでトップチームを経験してからプリマベーラで指揮を執る覚悟を決めたガットゥーゾは、以前から意欲的だったミランのトップチーム監督の座をいつか射止めることができるか。注目される。
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