【ブンデス日本人の現地評】香川と大迫は最高評価でベスト11、クラブの伝統を守った酒井だが採点は…

2017年05月23日 山口裕平

香川は「契約延長交渉に必要な宣伝材料を余すことなく見せた」

24節のヘルタ・ベルリンで調子を上げて以降、ほとんどの試合で称賛を浴びた香川。27日,
タイトルをチームにもたらし、最高のかたちでシーズンを締めることができるか。 (C) Getty Images

 ブンデスリーガはついに最終節を迎え、ひとりの日本人選手が、伝統クラブの誇りを守る偉業を成し遂げた。
 
 酒井高徳がキャプテンを務める16位のハンブルクは、15位のヴォルフスブルクとの自動残留を懸けた直接対決に臨み、終了間際の劇的ゴールで逆転勝ちを飾った。
 
 降格危機にあったチームのキャプテンを酒井が引き受けてから、ハンブルクの成績は劇的に向上し、最後の最後でリーグ創設から一度も降格したことのないクラブの名誉と伝統を守った。
 
 この試合では右SBとして先発フル出場を果たした酒井は、その重圧から普段通りのプレーを見せることはできなかったが、最後までチームを鼓舞し続け、ロングパスで逆転ゴールの起点となった。
 
 ただ、『ビルト』紙は及第点となる3点、『キッカー』誌は4点と、この試合自体の評価はいまひとつだった。
 
 北部放送局『NDR』も、「右SBとして出場停止のディークマイアーの穴を埋めたこの日本人だが、序盤は対面する選手に手こずった」と、立ち上がりのパフォーマンスには物足りなさを感じている。
 
 しかし同時に、「ハンブルクのキャプテンは試合の経過とともに良くなり、攻撃のアクセントにもなることができた。この26歳は、疲れを知らないプレーを見せた」と、その後は改善されたという見解を示した。
 
 地元紙『ハンブルガー・アーベンドブラット』は、「試合終了後、キャプテンは喜びで涙を流した。それまでの90分間は、唸り続けていた」と、試合を通して声を張り上げてチームを奮い立たせ続けた点を評価している。
 
 27日(現地時間)にDFBカップ決勝(フランクフルト戦)を控えるドルトムントの香川も1アシストで勝利に貢献し、高い評価を受けた。『キッカー』の採点は2点、『ビルト』はチーム最高タイとなる1点を付けて今シーズン初となるベスト11に選出した。
 
 地元紙『ルールナハリヒテン』は1.5点を与え、以下の通り「今シーズン最高」と絶賛している。
 
「ファンお気に入りの日本人は、シーズンファイナルで素晴らしいプレーを披露。おそらく、今シーズンで最高のパフォーマンスだった。ピッチ上で舞い、1-1とする素晴らしいパスを(ロイスに)通した。そして、ほぼ全ての危険なシーンに絡んだ」
 
 さらに同紙は、「契約延長交渉のための宣伝材料が必要なら、彼はこの試合でそれを余すことなく見せた」とも記した。

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