本田の“本拠地ラストゴール”を「再びミランの主役に」「日本人記者が待ち望んだ瞬間」と伊紙

2017年05月22日 サッカーダイジェストWeb編集部

イタリア紙は「ゴールを決めてaddio(サヨナラ)」と本田のパフォーマンスを称賛。

得点後にはチームメイトからも祝福を受けた本田。背番号10は最高の形で、サン・シーロでのラストマッチを飾った。 (C) Alberto Lingria

 本拠地サン・シーロでのラストゲームで、チームに欧州への切符をもたらす今シーズン初ゴールをマークしたとあれば、地元メディアもミランに所属する日本代表MFの本田圭佑を取り上げないわけにはいかない。
 
 本田は現地時間5月21日のボローニャ戦(セリエA37節)で、57分にコロンビア代表FWのカルロス・バッカとの交代でピッチに登場し、国内リーグ戦で4試合ぶりに出場機会を得た。しかも30分以上のプレー時間が与えられたのは、今シーズン唯一の先発出場で酷評されてしまった昨年10月25日のジェノア戦(セリエA10節)以来だ。
 
 そして背番号10は、このヴィンチェンツォ・モンテッラ監督の起用に見事に応えてみせる。チームが1点をリードして迎えた73分、ペナルティーエリア手前からの直接FKをネットに突き刺したのだ。ミランでは2016年2月14日のジェノア戦以来、約1年3か月ぶりとなるゴールだった。
 
 本田の追加点で楽になったミランは、アディショナルタイムにもダメ押しの3点目を奪って3-0と快勝。6位の座を確定させ、来シーズンのヨーロッパリーグ出場権(予選から)を獲得した。ミランが欧州の舞台に戻るのは、じつに4シーズンぶりだ。
 
 翌5月22日付のイタリア紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』は、同じく途中出場で違いを作ったマティアス・フェルナンデスと並ぶチーム最高タイの「採点7」と本田を高く評価。「選手たちが言っているとおり、彼は準備を整えていた」と、出番がなくても腐らずにトレーニングに励んでいた背番号10を称賛した。
 
 さらに、同紙は「最後に本田がいた。ゴールを決めてaddio(サヨナラ)」との見出しで本田の記事も掲載。「圭佑を追う日本の報道陣が1年以上も待ち望んだ瞬間だった。再び本田が主役となったミランの試合を語れる瞬間だ」と、独特の表現で本田の活躍を伝えている。
 
 また、ガゼッタ・デッロ・スポルト紙はデビュー戦(サッスオーロに3-4で敗れ、マッシミリアーノ・アッレグリ監督が解任)や、フィリッポ・インザーギ体制の2014-15シーズン初戦(ラツィオ相手にチームのシーズン初ゴールを記録)を振り返り、「ミランでの本田のキャリアには月並みでない思い出がある」と綴った。
 
 その記事では、2018年のロシア・ワールドカップ出場を望む本田が欧州残留を希望していることやモンテッラ監督やチームメイトの賛辞を伝えて締めくくられた。そのイタリア人指揮官は次のように本田を称賛している。
 
「本田の試合への入り方は模範にすべきだ。チームの全員が彼を祝福した。シーズンの決定的なタイミングで失敗しなかったんだ。私は応えてくれると分かっていた。その投入や、全員が抱擁で祝ったことに満足している」
 
 試合後にはツイッターのアカウントを開設し、その中で「私はミランを今シーズン限りで離れますが、また会える日を楽しみにしています」と、ミラン退団を明かした本田だが、最後の最後にイタリアのファンとメディアに大きなインパクトを残せたようだ。

 なお、本田のミラン最終戦は、5月28日のカリアリ戦となる。
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