チェルシー優勝の鍵となった「10の要素」。アザールのダイエット成功など

2017年05月14日 サッカーダイジェストWeb編集部

カンテとD・ルイスの獲得、そして3バックへの移行。

アザール(左)とD・コスタ(右)はコンテ新監督の見事な舵取りで復活。攻撃陣を牽引した。(C)Getty Images

 現地時間5月12日のWBA戦で1-0と勝利し、2年ぶり6回目となるプレミアリーグ優勝を飾ったチェルシー。アントニオ・コンテ監督の就任1年目だったにもかかわらず、昨シーズンは10位に低迷したチームが覇権を奪還できたのはなぜか。英紙『テレグラフ』が、10の要素を分析している。
 
(1)GKコーチの変更
 ティボー・クルトゥワが前GKコーチのクリストフ・ロリションと軋轢を抱え退団を検討していたため、コンテ監督はイタリア代表でもともに戦ったジャンルカ・スピネッリをスタッフに加え、残留するようにクルトゥワを説得。オーナーのロマン・アブラモビッチとも親しいロリションを切ったのは、大胆な一手だったが、見事に報われた。
 
 
(2)エヌゴロ・カンテの獲得
 3200万ポンド(約45億円)での獲得が「バーゲン」と称されることは珍しい。だが、チェルシーにとってカンテはそういう存在だった。レスターの奇跡のプレミア優勝に貢献した昨シーズンから、パフォーマンスはさらに向上。PFA(イングランド・プロサッカー選手協会)とFWA(イングランド・サッカー記者協会)の年間最優秀選手をダブル受賞した。
 
 
(3)ダビド・ルイス復帰というギャンブル
 3年前にパリSGに売却したD・ルイスの買い戻しは、クレイジーな補強にも思われた。コンテ監督が望んでCBを獲れず、移籍市場最終日のディールだっただけになおさらだ。だが、指揮官は3バックの中央という完璧なポジションを与え、ミスを減らすことに成功。3400万ポンド(約48億円)の価値を証明した。
 
 
(4)3バックへの移行
 プレ―ズンでは4-2-4、開幕時は4-1-4-1で戦っていたチェルシー。6節のアーセナル戦で前半に3点を先行され、55分にセスク・ファブレガスを下げてマルコス・アロンソを投入したのは、おそらく今シーズン最も重要な変更だった。続くハル戦での勝利で、ヴィクター・モーゼスが右ウイングバックに定着し、基本形となる3-4-3が完成した。のちにアーセナルのアーセン・ヴェンゲル監督も3バックを採用している。
 
 
(5)団結力向上
 コンテ監督はチェルシー内部に団結意識を取り戻させる必要性を強調。選手たちとコーチたちのグループを作り、一緒に食事などにも出かけた。スタッフのクリスマスパーティーにもサプライズで登場。トレーニングセンターやスタジアムの受付やドアマン、セキュリティーのハードワークにも謝意を表わした。

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