【千葉】清武功暉、覚醒の時か。プロ初のハットトリックに詰まったその凄み

2017年05月14日 本田健介(サッカーダイジェスト)

1点目は周囲との連係、2点目はFK、3点目は1対1を冷静に制す。

プロ初のハットトリックを決めた清武。サポーターの大きな声援に応えた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[J2 13節]千葉5-0長崎/5月13日/フクアリ
 
 千葉が5-0と長崎に大勝したゲームで、輝きを放ったのがハットトリックを決めた清武功暉だ。
 
「大学生以来かな?」
 
 そう首を傾げた清武にとって、ハットトリックはプロ初となった。その3ゴールはどれも素晴らしいものであった。
 
 自らが最も気に入っているという1ゴール目は、周囲と連係して奪ったもの。右SBの山本真希から浮き球の縦パスが入ると、「イメージが沸いた」という清武はヒールで後方にボールを流す。そして「イブ(指宿洋史)が本当に良い反応をしてくれた。良いパスをくれた。あれはイメージ通り」と、指宿のヘッドでのリターンに上手く合わせてネットを揺らした。
 
 2点目は芸術的なFK。ゴールやや左でチャンスを得ると、「俺が蹴るつもりだったけど、タカさん(船山貴之)から『まだ蹴る人、決まってないよ』と言われて。でもここは俺でと、プレッシャーをかけられながら、決められて良かった」と、ゴール左隅に見事に沈めた。
 
 そして3点目は再び指宿のアシストから。ゴール左でフリーでパスを受けるとGKとの1対1を冷静に制した。
 
 昨季、熊本で自己最多の12ゴールを挙げた男は、13節を終えた時点で、すでに半分の6ゴールを重ねている。その活躍は敵将の高木琢也監督も「クオリティの高い選手」と称賛するほどだ。
 
 序盤戦こそ2トップでの一角で起用されたが、4-3-3の新布陣採用後、ウイングへポジションを移したことも、清武が能力を生かすキッカケになった。ボールを持てば得意のドリブルで果敢に仕掛け、味方とのパス交換で敵陣を切り裂く。
 
「中に入ったり、外に開いたり、周囲と連動できた。良いバランスでプレーできて、相手も掴みづらかったと思う」と長崎戦後、本人も手応えを語る。
 
 フアン・エスナイデル監督が掲げる攻撃サッカーのキーマンになりつつある男は、試合を経るごとにキレを増している。ひょっとすると、今季の昇格争いのキーマンにもなる、そんな期待も抱いてしまう。
 
【千葉 5-0 長崎 PHOTO】清武、自身J初のハットトリック達成!千葉が長崎に快勝!

取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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