「夢は実現できる」エジルが脳腫瘍と闘うファンの少年をVIP席に招待

2017年05月10日 サッカーダイジェストWeb編集部

ファンを大切にするエジルの粋な行動に称賛の声。

エジルがファンに愛される理由は、チームを勝利に導くプレーだけなく、その人柄にもあるようだ。 (C) Getty Images

 アーセナルに所属するドイツ代表MFのメスト・エジルの"ある行動"が、賛辞を浴びている。英紙『サン』など複数メディアが報じた。
 
 2013年の夏にR・マドリーから移籍して以来、アーセナル・ファンのみならずプレミアリーグ・ファンも魅了するプレーを披露してきたエジル。時として厳しい野次を受けることもあるが、彼は何よりファンを大事にしている。
 
『サン』紙によれば、エジルは、現地時間5月16日のサンダーランド戦(プレミアリーグ34節延期分)に、脳腫瘍を患った11歳の少年をスペシャルゲストとして招待するという。
 
 きっかけは、英国のジリンガムを拠点に活動している慈善団体『My Shining Star』が、フェイスブックで以下の写真付きの投稿を行なったことだった。
 
「どうか拡散してください。彼はチャーリーという11歳の男の子です。彼は両親と一緒にFAカップ決勝に行き、エジル選手と握手をすることを望んでいます。
 
 彼は2年間、脳腫瘍と闘っています。今は状態が良くなく、脳に直接の手術を受けなくてはいけません。けれど、どんなメスでさえもエジルには敵わない。彼は小さなグーナー(熱狂的なアーセナル・ファン)です。
 
 彼のお母さんは、エジルに会わせるために何とかしたいと、心の底から思っています。どうかシェアしてください。アーセナルとFAに『チャーリーの夢を実現してほしい』と連絡を取ってください」
 
 このつぶやきに対し、アーセナルの守護神ペトル・チェフが「クラブはそれに応じるように働いているよ」と拡散したことで、エジルも事の経緯を知ることとなった。

 彼はすぐさま、チャーリー君を試合に招待することを決め、エミレーツ・スタジアムで行なわれるサンダーランド戦のボックスシートを用意。さらに試合後にラウンジで、自身だけでなく他のアーセナルの選手とも交流する場を設けるという。
 
 このサプライズに『My Shining Star』は、フェイスブックで「シェアに協力してくれた全てのツイートに感謝します」と記し、さらに「最後にひとつだけ…実はエジルはこの活動を『宣伝してほしくない』と言いました。けれど、私たちは彼の行動を称えなければいけない」と、当人が陰になることを望んでいたことを明かした。
 
 英紙『ミラー』によれば、エジルはクラブに相談して、5月27日に行なわれるチェルシーとのFAカップ決勝のチケットもチャーリー君にプレゼントしたという。
 
 大病と闘う一人の少年に、それを克服するための勇気を与えたエジル。チャーリー君をより励ますためにも、サンダーランド戦とチェルシー戦は、アーセナルにとって絶対に負けられない試合となるだろう。
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