トッティ、“最後”のサン・シーロで出番なし…非情の決断下した指揮官は批判に猛反論

2017年05月08日 サッカーダイジェストWeb編集部

「PKがあると事前に分かっていたらトッティを投入していた」

サン・シーロで最後となるであろう90分間をベンチで過ごしたトッティ。多くの人々が彼の最後の雄姿に期待しただろうが、勝負に徹したスパレッティ監督の姿勢も尊重されるべきだろう。 (C) Alberto LINGRIA

 正式に現役引退を表明したわけではないが、おそらくは最後になるであろう「カルチョのスカラ座」での一戦で出場機会がなかったことは、議論の的となった……。
 
 ローマは先日、キャプテンのフランチェスコ・トッティが今シーズン限りで現役を退き、フロント入りすると明かした。トッティ自身は引退を明言していないが、クラブが選手としての契約を更新しない姿勢を明確にしたことで、今シーズンがラストになる可能性が高いと見られる。
 
 ライバルのミランやインテルと数々の名勝負を演じてきたトッティが、「カルチョのスカラ座」の愛称を持つサン・シーロで、おそらくは最後となる試合を迎えるとあり、現地時間5月7日に行なわれたミラン対ローマ戦では、ホームのサポーターからも彼に賛辞が寄せられた。
 
 試合前のメンバー紹介でトッティの名前がアナウンスされると、スタンドの観客がスタンディングオベーション。さらに、ミランのウルトラスは「ライバルのトッティにオマージュ」と横断幕を掲げ、イタリア・サッカーの歴史に名を残すローマの背番号10に敬意を表している。
 
 試合は78分までにローマが3-1とリードし、内容でもミランを圧倒。残り時間でのトッティ起用に期待が高まった。だが、ルチアーノ・スパレッティ監督が84分にエディン・ゼコとの交代で最後に投入したのは、ブルーノ・ペレス。スタンドからはブーイングも飛んだ。
 
 スパレッティ監督にとってさらに"痛手"だったのは、直後にローマがPKを獲得したことだ。トッティが起用されていれば、ゴールでサン・シーロでの戦いの歴史を終えられたかもしれないとあり、指揮官への不満の声は高まった。
 
 だが、終了間際の数分間だけの起用が続いていた4月にも批判を浴びたスパレッティ監督は、これらの声に「一貫性がない」と不満のようだ。
 
 イタリア『スカイ・スポーツ』によると、試合後に彼は「過去に戻ることができるなら、決してローマを率いることはない」と語っている。
 
「(ナポリと2位の座を競っている)我々は、何としてでもこの試合に勝たなければいけなかった」
 
「5分で、彼に何をさせることができたんだ? 申し訳ないが、どうすれば良いか分からないよ。以前は残り5分でトッティを起用して罵倒された」
 
「私は選ばなければいけないんだ。PKがあると事前に分かっていたら、トッティを投入していたさ」
 
 こう漏らし、指揮官は嘆息した。
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