メッシの代表戦出場停止処分、FIFAが「証拠不十分」として撤回

2017年05月06日 サッカーダイジェストWeb編集部

「FIFAの復讐」報道を受けての処分撤回か?

副審への暴言が疑われ、厳罰が下されたメッシ。しかし、再審査の末にその厳罰は撤回された。 (C) Getty Images

 5月5日、FIFA(国際サッカー連盟)は、アルゼンチン代表FWのリオネル・メッシに科した代表戦4試合の出場停止処分と罰金1万スイスフラン(約114万円)の処分を解除すると発表した。
 
 メッシは3月23日に行なわれたワールドカップ南米予選第13節のチリ代表戦で、副審に対して侮辱的な言動をしたとして、上記の厳しい処分が下されていた。
 
 しかし、メッシは「僕の発言は決して副審に向けられたものではない」と否定。さらにAFA(アルゼンチン・サッカー協会)もFIFAに対して異議申し立てを行なっていた。また、当該試合を裁いた審判団も、副審を除いた全員が「(メッシによる)攻撃的な言葉は一切聞いていない」で、供述が一致していた。こういった事実がありながらの厳罰処分に、アルゼンチンを中心に多くのメディアが「FIFAの復讐」(オレ紙)として陰謀論を提唱する事態にも発展していた。
 
 これらを受け、FIFAの上訴委員会は、「メッシの行動は褒められたものではない」としながらも、「マッチオフィシャルの意思尊重は不可欠であり、入手した映像では証拠が不十分で、処分を下すことはできない」と説明して、処分を撤回したのだ。
 
 アルゼンチンは現在、南米予選で5位。ロシア・ワールドカップ出場には勝点1差で4位のチリを上回る必要があるが、残り4戦はウルグアイ、ベネズエラ、ペルー、エクアドルとの対戦を残していた。それだけに唯一無二の大黒柱であるメッシの処分撤回は、何よりの朗報と言えるだろう。
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