【CL分析】絶好調だったモナコ攻撃陣はなぜ沈黙したのか。最大の誤算とは?

2017年05月04日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

モナコ最大の誤算とは?

無得点に終わったとはいえ、ファルカオはまずまずのパフォーマンスを披露。18分には得意のヘッドで名手ブッフォンの堅牢を脅かす。(C)Getty Images

[チャンピオンズ・リーグ準決勝ファーストレグ]モナコ 0-2 ユベントス/5月3日/ルイⅡ世


 
「ユベントスはこれまで対戦したチームとはまったく異なる」
 
 前日会見でレオナルド・ジャルディム監督がそう警戒していたとおり、セリエA王者はやはり老獪だった。ポゼッション率(52%対48%)、シュート本数(14本対10本)、パス成功率(85%対84%)とデータ上では上回りながら、終わってみれば0-2で完敗。2つのアウェーゴールを奪われたうえでの敗戦はモナコにとってまさに痛恨で、03-04シーズン以来となる決勝進出は極めて厳しくなった。
 
 それまでの10試合で16失点を喫していたモナコからすれば、リードを許す展開は想定済みだったに違いない。予想外だったのは、CLでの直近4試合で12ゴールと絶好調だった攻撃陣の沈黙だ。
 
 序盤は悪くなかった。12分と16分にキリアン・エムバペ、18分にラダメル・ファルカオが鋭いシュートを放ち、敵ゴールを強襲。いずれも得点には至らなかったが、名手ジャンルイジ・ブッフォンの堅牢を脅かした。
 
 その後失速したのは、序盤の決定機を作り出していた右サイドの攻撃を封じられたから。ユーベは攻撃的MFのベルナルド・シウバやSBのナビル・ディラールへのプレスを強め、相手の長所を潰しにかかった。
 
 そんなモナコにとっての最大の誤算は、一方の左サイドの攻撃が全く機能しなかったことだ。チーム最多の4アシストをマークしていたトマ・ルマールが精彩を欠き、ドルトムントやマンチェスター・Cを苦しめた左足のクロスは鳴りを潜めた。
 
 ルマールの不調は、ハムストリングの怪我で欠場した左SBバンジャマン・メンディの不在と無関係ではないだろう。ウイング並みの突破力を誇るこの22歳はサイドアタックに厚みをもたらす貴重な人材であり、これまでもルマールとの連携で何度もチャンスを作り出していた。
 
 代わりに左SBに入ったジブリル・シディベは本来右SBで、メンディほどのアタッキング性能は持ち合わせていない。ルマールとのコンビネーションもいまひとつで、攻撃を停滞させる一因となった。
 
 メンディの復帰時期は現時点では明らかになっていない。敵地に乗り込む第2レグ(5月9日)でも、この左SBを欠くようなら、モナコの苦戦は免れないだろう。
 
文:ワールドサッカーダイジェスト編集部
 
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事