【現地発】吉田麻也が日本人初の偉業達成。プレミア100試合出場までの「変化」とは?

2017年05月02日 竹山友陽

「どれだけ価値があることなのか伝わってほしい」岡崎も偉業を称える。

ハル戦後に笑顔で子どもたち交流した吉田。自身の偉業については「日本のサッカー界にとっては大きい一歩ですよね」と自評した。 (C) 竹山友陽

 去る4月29日のハル戦(35節)で、サウサンプトンの吉田麻也が日本人初のプレミアリーグ通算100試合出場を達成した。
 
 12-13シーズンにVVV(オランダ)からサウサンプトンに加入した吉田は、5シーズン目にして日本人では前人未到の大台に乗せた。レスター2年目の岡崎慎司が、「プレミアリーグで100試合出場という記録がどれだけ価値があることなのか、日本にいる人たちにも伝わってほしい」と語るように、イングランドで試合に出場し続けることは容易ではない。
 
 その理由は明白だ。高額な放映権料の分配やオーナーの潤沢な資金力を背景に、どのクラブにも各国代表の"今が旬"な選手達が各ポジションに補填され、チーム内での激しいポジション争いが繰り返されるからである。
 
 移籍市場では、堅実でやりくり上手として知られているサウサンプトンでさえも、CBを毎シーズンのように補強し続けてきた。今シーズンの前半戦においても、吉田は3番手としてポルトガル代表のジョゼ・フォンテとオランダ代表のフィルジル・ファン・ダイクの後塵を拝してきた。
 
 しかしながら、吉田はヨーロッパリーグと国内カップ戦で安定したパフォーマンスを披露。クロード・ピュエル監督の信頼を失なうことはなかった。
 
 そして、年が明けると状況が一変する。1月の移籍市場で主将のフォンテがウェストハムに移籍し、さらにファン・ダイクが足首のケガで今シーズン絶望の長期離脱が決定。ピッチにはDFリーダーとしての吉田の姿があった。
 
 吉田はキャプテンマークを巻いたゲームを含め、19節から15試合連続フル出場を果たしての今回の記録達成を、「前半戦はヨーロッパリーグとカップ戦でコンスタントに使ってもらえて、試合に入るリズムを作りやすかった」と振り返り、「チームでは古株の方なのでチームを引っ張りたい、そしてようやくやってきたこのチャンスを活かしたい」と意気込んだ。

次ページ現地の日本人サッカーチームを招待した吉田の姿勢を広報も評価。

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