【神戸】開幕ダッシュの勢いは何処へ…。CB渡部博文が指摘する失速の要因とは?

2017年05月02日 橋本啓(サッカーダイジェスト)

甲府戦では相手の倍以上となる19本のシュートを浴びせたものの…。

最終ラインを統率する渡部は、攻めに「怖さ」がないと指摘。攻撃面には少なからず課題がありそうだ。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ9節]神戸0-1甲府/4月30日/ノエスタ

 好調だった神戸に異変が起きている。

 開幕4連勝を飾り一時首位にも立ったが、ここにきてまさかの3連敗。この失速を招いた要因を探ると、そのひとつとして得点力不足が浮かび上がる。

 9節時点での総得点(10点)は上から11番目。ここ3試合に限ると、わずか1点にとどまっている。「チャンスは作れている」(ネルシーニョ監督)が、エースのレアンドロを怪我で欠いているうえ、昨季12得点の渡邉千真、今季加入した田中順也がともにリーグで無得点なのは、なによりも誤算だろう。

 甲府戦では相手の倍以上となる19本のシュートを浴びせたものの、前節の鳥栖戦に続きまたも無得点。指揮官は「点を取れないことだけをフォーカスしても、チームが好転するとは思っていない」と話すが、実際戦っている選手たちは現状をどう思っているのか。最終ラインを統率する渡部博文はこう指摘する。

「攻撃のアクセントというところでは、例えば、DFの裏を取るところの怖さがいまひとつ足りないのかなと。セットプレーにしても、相手の怖いところを狙えていない」

 渡部の指摘は一理ある。攻めてはいるものの、最終局面で「怖さ」がない分、DFからすれば守りやすいのかもしれない。実際、甲府戦で見られたシュートシーンにしても、大半は敵の守備網を崩し切れていないものばかりだった。

 もちろん、積極的にシュートを撃つこと自体は悪くはない。ただし、見方を変えれば縦に攻め急ぐばかりで、淡白な攻めに終わっている印象も拭えない。攻撃に関しては少なからず課題はありそうだ。

「チーム力は上がっているとは思うんですけど、自分たちが今引き起こしている成績の波を失くしていかないと。後ろはゼロで抑えないといけないし、攻撃陣だけでなく、怖さを持って攻撃もしなければいけない。そこは今後の課題」

 再び上位へ浮上するのか、それとも……。この先の戦いで、改めてチームの真価が問われようとしている。

取材・文:橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)
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