【川崎】ACLの激闘から一転…。なぜC大阪戦では“戦う”勇気が持てなかったのか?

2017年05月01日 本田健介(サッカーダイジェスト)

「単純なミスが非常に多かった」(鬼木達監督)。

多くの場面で後手を踏み、攻撃の形を作れず。最後までゴールが遠かった。写真:川本 学

[J1リーグ9節]C大阪2-0川崎/4月30日/ヤンマー
 
「前半から単純なミスが非常に多く、一人ひとりが戦うというところを見直さなければいけない試合でした。当然、ACLを戦って疲れてはいますが、頭の中をみんなで揃えて戦わなければいけなかった。そこが出来なかったのが非常に残念です」
 
 試合後の記者会見、鬼木達監督の表情は強張っていた。それもそのはずだ。ACLの水原三星戦から中4日で臨んだC大阪戦は、前半終了間際の小林のPK失敗も響き、何もできぬまま敗れた。
 
 4月25日のアウェーでの水原三星戦は死闘だった。勝利しなければグループステージ突破が難しくなるなか、後半にセットプレーで奈良竜樹が奪ったゴールを守り切り、大きな勝点3を手にした。まさに全員で掴み取った勝利だった。
 
 しかし、C大阪戦では同じチームとは思えない姿を露呈した。確かに疲労は蓄積していたはずだし、前日に中村憲剛が腰を痛め、欠場するアクシデントもあった。しかし、水原三星戦ではあれだけのパフォーマンスを見せられたのに、なぜ……。5日前の殊勲である奈良もその悔しさを吐露する。
 
「ACLであれだけの状況を乗り越えて、なんでこうなるのかなと。アウェーで厳しい試合をした後だけど、僕たちはプロだからそこに逃げちゃダメだった。疲れていてもできることはある。気持ちの部分とか、怖がらないとか。走行距離が落ちることはあっても、そういう次元の話ではないし、システム云々の話でもない。ACLで勝たなければいけない試合を勝ち切って、それを良い方向に働かせられないのはチームの実力だと思う。
 
 憲剛さんがいなきゃだダメとか、誰かが欠けたら成り立たないようでは厳しい。他の選手が憲剛さんのポジションを奪ってやるぐらいの気概を見せないと。僕は守備の選手なのでどうしても守備のことに目が行ってしまう。顔面でもいいからシュートを防ぎにいくとか気持ちを見せれば、それがチーム全体に伝わると思う。僕も含めて反省しなければいけない。まだまだ厳しさが足りないと思う」
 

次ページ真のチーム力が問われる。

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