「日本サッカーのための大きな一歩」 吉田麻也が日本人初のプレミア100試合出場達成!

2017年04月30日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

これまでプレミアのピッチに立てた日本人はたったの7人

吉田は、最終ラインを率いてクリーンシートを達成するも、チームは無得点に終わり、記念の試合を勝利で飾ることはできなかった。 (C) Getty Images

 現地時間4月29日のハル戦(35節)で、サウサンプトンの吉田麻也が、日本人初のプレミアリーグ通算100試合出場を達成した。
 
 12-13シーズンにVVV(現オランダ2部)からサウサンプトンに加入した吉田は、移籍初年度こそレギュラーとして32試合に出場したものの、その後3シーズンはレギュラーポジションを掴めずに、出場機会が限られていた。
 
 しかし、今シーズンは冬にチャンスが到来した。

 今年1月にライバルだったジョゼ・フォンテがウェストハムへ移籍。さらにフィルジル・ファン・ダイクが故障して長期離脱を余儀なくされたこともあってポジションを獲得し、19節から15試合連続フル出場を果たして、今回の記録達成に至った。
 
 これまで日本人選手は、幾度となくプレミアの壁に跳ね返されてきた。

 01-02シーズンに西澤明訓が、日本人として初めて参戦(ボルトン所属)するも、1試合も出場機会を得られず退団。他にも、川口能活(元ポーツマス/現SC相模原)、李忠成(元サウサンプトン/現・浦和レッズ)が挑戦するも、最後までピッチを踏めないまま志半ばでイングランドを去っている。
 
 元々、労働許可証の取得が難しいイングランドは、EU圏外の選手にとってハードルの高い場所。西澤の挑戦から16年が経つ現在でも、プレミアのピッチに立った日本人はたったの7人に止まっている。苦戦している印象の強いリーガ・エスパニョーラでさえ、これまで9人がピッチに立っているのに、だ。
 
 こういった経緯を考えると、今回、吉田が達成したこの記録は偉業と言っていい。本人はハル戦の後、このように語っている。

「一人の選手にとっては小さな一歩だけど、日本のサッカー界にとっては大きな一歩。いつか誰かが、僕の記録を超えることを祈っている」
 
 昨シーズンからプレミアリーグに挑戦している岡崎慎司(レスター)も、63試合と順調に試合数を積み重ねているが、これに続く日本人選手が出てきていないのが現状だ。

 アーセナルからシュツットガルトにローンで出されている浅野拓磨はいるが、復帰できる保証はない。吉田の言うように、この記録を破る日本人が数多く出てくることを楽しみに待ちたい。
 
 プレミアリーグでの日本人選手の出場試合数は以下の通り。
 
1位:吉田麻也(サウサンプトン) 100試合(4得点)
2位:稲本潤一(元フルアム他/現コンサドーレ札幌) 66試合(4得点)
3位:岡崎慎司(レスター) 63試合(7得点)
4位:香川真司(元マンチェスター・U/現ドルトムント) 38試合(6得点)
5位:中田英寿(元ボルトン) 21試合(1得点)
6位:宮市亮(元ボルトン他/現ザンクトパウリ) 17試合(0得点)
7位:戸田和幸(元トッテナム) 4試合(0得点)
 
文・ワールドサッカーダイジェスト編集部
 
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