ブラッター前FIFA会長、憎き(?)プラティニに「UEFAかFIFAに復帰するべき」

2017年04月27日 サッカーダイジェストWeb編集部

「私は一度たりとも、彼に害を与えようとしたことなどない」

失脚したふたりの権力者が、再びサッカーの表舞台に登場することはあるだろうか。 (C) Getty Images

 1998年6月にFIFA会長に選出され、以降、長きにわたってサッカー界の舵取りを担ってきたゼップ・ブラッターが、5期目の再選を果たした直後に辞任したのが2015年のことだった。
 
 多くの逮捕者を出したFIFA汚職事件に関連して、彼の会長生命も突然終わりを迎えたわけだが、同時にFIFA会長への道を閉ざされたのが、当時のUEFA会長にしてFIFA副会長だったミシェル・プラティニである。
 
 200万スイスフランの不正な金銭授受が行なわれたとして、支払ったブラッター、受け取ったプラティニの両方に対しFIFAの倫理委員会が8年の資格処分停止という厳罰を下したが、プラティニはコンサルタント料として正当な報酬であると主張し、提訴も行なっていた。
 
 これについては、2022年ワールドカップの開催国決定の際、ブラッターの思惑に反してプラティニがアメリカではなくカタール支持に回ったことで、両者のあいだに確執が生まれ、ブラッターが失脚した際に"憎き"プラティニを道連れにしたという説もある。
 
 しかし先日、『AFP』のインタビューを受けたブラッターは、プラティニに対して"現場復帰"を期待していると語った。
 
「彼はUEFAかFIFAに復帰するべきだ。しかし、その前に疑惑を払拭しなければならない。それは私も同じだが。潔白を示す新たな材料が出てきた場合、再度、裁判を起こすことができるが、私にはその材料がある。内容は今、明かすことはできない」
 
 プラティニといえば、こちらも先日、『ル・モンド』のインタビューを受け、そのなかで「ブラッターは今回の件で、全く私を守ろうともしなかった。彼はこれまで見てきた人間のなかで、一番のエゴイストだ」と激しく非難していた。
 
 これに対してブラッターは「彼が私のことをエゴイストだと思うのは致し方ない」としながらも、以下のように反論している。
 
「私はプラティニが2007年にUEFAの会長となる時には全力で支援したし、以降も良い関係を保ち続けてきた。なのに、なぜ彼があのような態度を取るのかが理解できない。私は一度たりとも、彼に害を与えようとしたことなどない」
 
 少し前には、新たにFIFA会長となったジャンニ・インファンティーノが自身とのコンタクトを断っていることに対し、「敬意に欠ける」と非難したブラッター。今回のメッセージは、「築き上げてきた経歴や名誉が失われた」と憤慨しているプラティニに届くだろうか。
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